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2005年11月19日 (土)

DPC導入促進に期待

1986年製薬会社に勤務時代、日本臨床検査自動化学会で発表した「新しいコンセプト(DRG)による高性能生化学自動分析システム-スペクトラム-」の講演で、聴講者の冷ややかな視線を思い起こします。

今日、医療費抑制策の一環として、包括評価制度(DPC:Diagnosis Procedure Combination)が声高に叫ばれていることを考えると隔世の感があります。当時は未だ、老人医療費の適正化を図るため包括払いが実施された位で、臨床検査数は上昇の一途を辿っていた時代ですから無理もありません。ましてや疾患別患者分類(DRG:Diagnosis Related Group)による臨床検査自動化システムなどという言葉は耳慣れず、遠いアメリカのこととして受け止められた様です。

発表の3年ほど前に考え出された、アメリカでのDRGによる医療費抑制策の新たな取り組みの視察と最新機器導入を目的に渡米したおり、ニューポートの病院で垣間見た米国事情にいたく関心したものです。

現在、DRG/PPSから日本版DPCの導入拡大に動いています。報道によれば、現在、DPCを導入しているのは、東大医学部付属病院や京大医学付属病院など大規模で高度な医療を提供できる82病院で、新たに62病院が追加されるとのことです。

DPC導入の背景には、現行の出来高払い方式による薬代や検査費が診療報酬積み上げに深く関わっているとして無駄な検査及び投薬を抑制しようとする狙いがあります。日本版DPCはDRGと意図することが若干異なりますが、医療費抑制策に変わりありません。厚生労働省の思惑とは別に、日本医師会や各種団体が総論賛成各論反対の立場をとっています。

今までにも度々指摘のあった、医療費抑制のための薬と検査の削減はどうしても避けて通れないものと思います。大学病院の中央検査部は、昔プロフィットセンターと呼ばれ、利益を稼ぎ出す場所でした。検査すればするほど儲かったわけで、利益をあげるための投資がどこの病院でも積極的に行われました。また、薬漬けとはよくいったもので、両手に一杯の薬を患者は嬉々として受け取り、医者も投薬量を増やす事で病院経営に多大な寄与をしてきました。また製薬会社もこの恩恵を受けました。

このツケが膨大な医療費となって、財政を圧迫しているわけです。ことは単純ではありませんが、少なくとも診療報酬の中で薬と検査は大きなウエイトを占めている事は確かです。 

医師会のいう①新しい高度技術の保険診療導入が阻害される②個々の医療ニーズに適切に対応できない③患者選択の危険性があるなど危惧される事は多々あります。事は人の命に関する事であり慎重の上にも慎重を期するという判断のようです。

一方、国民皆保険外に初期診療一部有料化案も浮上しています。これは、初診時、一定の金額(500円から1000円程度)を診療報酬とは別に患者負担してもらおうというものです。これにも日本医師会は、国民皆保険の趣旨に反するとして異論を唱えています。

高齢化が進み、どんどん財政は逼迫してきます。ゆっくり慎重にと時間をかけて議論している内に最後は、患者負担とならないことを望みます。

医療費抑制は可及的速やかに行わなくてはなりません。このまま推移すれば皆保険制度は崩壊するでしょう。薬と検査の適正化は何が何でも実施されるべきです。病院検査部や薬剤部はこの際、コストカッターに徹するべきです。この延長線上にあるのが日本版DPCです。

できることからやる、できるものはやる。日本人は石橋を叩いてから渡るそうですが、フランス人は走りながら考えるそうです。霞ヶ関で議論しているうちに、にっちもさっちも行かなくなったら誰が責任をとるのでしょうか。問題を将来に先送りしているだけと感じるのは私だけでしょうか。「時間が無い」これが実感です。

患者サイドにも心がける点がいくつかあります。検査ねだりや薬ねだりはもっての外です。慢性疾患病は別にして、単に安心のための服薬は止めましょう。また予防医学にもっと関心を持つべきであり投資すべきと思います。定期検診はもとより、普段の健康管理に気を使うと同時に健康管理維持のため投資すべきです。

Fee for ServiceからPay for serviceへ意識変革することが必要です。

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