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2006年3月21日 (火)

臨床腫瘍医の育成を急げ!

 日本の3大主要死亡原因は、順に①悪性新生物(がん)・②脳血管疾患・③心疾患であり、がんの治療は依然として社会的な問題となっています。毎年、三十万人以上の人が亡くなり、年々右肩上がりで増加しています。

 がんの治療では、一般的に外科的療法・薬物療法・放射線療法などが患者の病状の程度に応じて施されています。中でも抗がん剤は、副作用が強く患者に肉体的・精神的苦痛を与えています。外科的措置を受けた場合、執刀した外科医が臨床経験に基づいて、薬剤師などの意見を参考にしながら投薬指示を行なっていますが、外科医は大学では薬物療法を学ぶことなく医師になった人がほとんどです。時として強い副作用の出現や薬効の無さに悩んだりと手探りで投薬治療を行なっているのが現実です。ある薬物は僅かな投薬量で重篤な副作用を引き起こします。また投薬の仕方によっては全く効かないという薬物もあります。これに個体差(代謝・吸収)が入ると薬物療法の難しさから、医師は安全圏をとろうとします。すると飲んでも効かないということもあり得るのです。

 アメリカでは臨床薬剤師が臨床医を手助けしています。この制度の有用性を説いても、残念ながら現在の薬剤師教育では実現しそうもありません。私の本音は薬剤師の奮起をお願いしたいところです。

 こうした中、日本臨床腫瘍学会が臨床腫瘍医(臨床内科医)を認定する運びになりました。日本で初めての投与・副作用対処の専門医です。既にアメリカでは、1970年代に専門医制度が確立し、厳しい試験に通った臨床腫瘍医が9000名もおり、医療の現場で活躍しています。この結果といえるかどうかわかりませんが、アメリカでは脳血管疾患が死亡原因の第一で、がんは二番目となっています。

 今回、認定された医師は47名で、諸外国に比べ大きく遅れをとっています。認定医になるには、豊富な臨床経験・深い専門知識が求められていますので、育成には相当の時間を要すると思いますが早期に専門医の育成をお願いしたいと思います。

アメリカのシカゴ中心街にノースウエスタン大学病院があります。ここに臨床腫瘍医である日本人医師が外科医と放射線医と治療方針を巡って激論を交わしている姿が「健康ニュース#3がん 臨床腫瘍医:主治医は薬の専門家」で取り上げられています。外科医長は「臨床腫瘍医がいることで手術に専念できる」と述べています。また、臨床腫瘍医はがんの薬物療法(化学療法)の専門家で、部位別ではなく総合的にがんを診る主治医として治療方針に中心的な役割を果たすことを期待されています。がん治療の強力な助っ人である専門医によって、日本のがん治療が飛躍的に発展し、多くのがん患者の延命率向上が期待できると思います。

 日々がんと戦っている方、それを見守るご家族の方の心中を思うと一刻も早い臨床腫瘍医制度の確立を願わずにはおれません。【了】

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2006年3月12日 (日)

年齢不問に異義あり!ハローワーク求人票

 景気の回復基調に伴い、企業の新卒者採用が活発化してきた様子が伝えられています。厚生労働省が平成18年2月1日発表した平成17年度の毎月勤労統計調査(速報値)によれば、常用雇用者数は前年比0.5%と2年連続で増加したそうです。企業が景気回復を背景に正社員による人材確保に動き出したことを感じさせます。

 景気は上向いたと言っても中高年齢者の雇用環境が好転しているわけではありません。ハローワークの求人をみても、55歳を境に求人数は極端に少なく、まだまだ厳しい状況が続いています。

 高齢者雇用法の改正に伴い、雇用環境が大きく変わろうとしています。企業は60歳定年制を撤廃し、65歳まで雇用継続する何らかの措置を講ずることが義務化されました。この背景には団塊世代の大量退職や厚生年金の支給年齢の順延化などがあります。それとは別に現在求職中の中高年齢者の雇用促進が図られることを期待しています。

 ハローワークの求人票の年齢記載内容が大きく変化しました。従来、年齢欄には企業側の希望する年齢(例えば25歳~35歳と記載)してきましたが、当局の強い?指導があり、最近の求人票には年齢不問が極端に多くなりました。大原則に立てば年齢制限すること事態が差別であったわけですから当然の措置といえます。ただその一方、求職申し込みをしても書類選考で不可となる中高年齢者がいかに多いことか嘆かわしい限りです。仕事柄、採用サイドの担当者に本音?をうかがうと「ハローワークには言えませんが、実は年齢35歳迄です」という答えが返ってきます。これが実態です。業界に詳しいプロが求人票を見れば、その仕事内容からおよその対象年齢を推測できます。一般の求職者にしてみれば、藁をも掴む思いで応募するわけで、企業側の温度差の大きさに驚かされます。

 年齢不問は結構です。

しからば、仕事欄や備考欄に別掲をしてはどうでしょう。

①未経験者は25歳まで、経験者で即戦力なら50歳

②1級有資格者なら55歳まで、2級なら30歳

③同業同種経験者で国家資格者なら不問

 求める年齢ではなく、求める業務遂行能力(スキル)を開示することが、求職者にとって非常に参考となると思われます。

 ところで、年齢表示でハローワークと人材銀行で違いがあるのは何故でしょう。人材銀行の求人票には、希望年齢が記載されています。どうしてこうも行政がチグハグなのか分りません。こんど東京人材銀行にお尋ねしようと考えています。もし、ご存知の方がおいででしたらお教え下さい。職業安定所は、求職者の悩みをもっと知って欲しいと思います。あなたの職場でもアウトソーシングの脅威がひしひしと押し寄せています。【了】

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不便な高額商品券

 先日の事、親戚からお祝いにと商品券をいただきました。

5000円の商品券が10枚。

送り主の心遣いにいたく感謝。

ある日、10枚の商品券を懐に家内とデパートに出かけた時のことです。

食品売り場で1万円弱の買い物をし、支払いに5000円の商品券2枚を差出しました。

店員「恐れ入りますが、5千円の商品券2枚では使えません。お釣りがでないのです。5000円の商品券と残金は現金でお願いします」

私「?!!」「それどういうことですか?」

店員「そういう決まりになっています」

私「そんなこと、どこにも書いてないですが・・・」

店員「いいえ、決まりになっています」

 割り切れない気持ちで、5000円の商品券と4500円あまりを現金で支払いました。たしか以前は、おつりを現金で返却していた時代がありました。てっきり、そういうものと思い込んで買い物をした私が時代錯誤なのかもしれません。自宅に帰り、早速パソコンで当該の商品券発行元のホームページで情報をあたりました。とても便利な事が書かれています。贈り物に最適な○○商品券をどうぞとその利便性をうたっています。

Q&Aの欄に記載がありました。

Q「おつりはもらえるんですか?」

A「旅行券は別にして、商品券のおつりはご容赦下さい」

できるだけ小額商品券のご利用をお奨めしますとも書いてありました。

 何かと便利で贈り物に最適と宣伝している商品券ですが、贈られた側にとって不便な商品券であることも想定し、小額(1000円)商品券を贈られる事をお奨めします。

 でも、何故おつりがでないのでしょうか?サービス業の根幹を忘れていませんか?発行する側の論理が優先されてると感じるのは私だけでしょうか。【了】

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2006年3月 5日 (日)

外資系企業を志す⑩インセンティブ

 営業関係の仕事に従事した事のある人ならご存知かも知れないインセンティブ制度。営業売上目標に到達した程度に応じて、特別報奨金が支給されます。現金、小切手、物品、旅行など、いろいろな形で営業マンにニンジンをぶら下げます。個人表彰、グループ表彰、部門表彰と組織単位が上がればあがる程、報奨金の額も跳ね上がっていきます。本来、企業業績が上がった場合には、賞与として反映するのが普通です。その賞与とは別に、営業関係だけは、インセンティブが用意されます。たまに間接部門からねたみや反感を買う事すらあります。その場合の反論は「欲しいなら、あなたも営業職に変わったら」です。

 高額のインセンティブをちらつかせ、しゃにむに走らせます。若くて体力のある者は、それを手に入れようと頑張ります。ロレックスの腕時計と報奨金50万円貰えるとしたらどうしますか?先物取引やその他の飛込み営業ではなく、製薬会社での話です。誰でもチャレンジしてみようと一度は思うはずです。途中まで走って、こりゃダメだと悟った時点で、インセンティブのむなしさを味わう事になります。「俺達をニンジンぶら下げて釣りやがって!」と思っても後の祭り。したたかな同僚の誰かが獲得する事になります。ほとんどの外資系の会社が似たような制度を導入していると思います。

 以前の会社でプレジデントクラブなるものがありました。何も会員制の高級クラブではありません。簡単に言えば、成績優秀な者だけが入れるクラブなのです。

「この間、E君がプレジデントクラブに入ったようよ」

「すごいわ、彼。仕事してるんだ」

 女子社員から羨望の眼差しで見られるくらい、男性なら欲しい会員券なのです。晴れてメンバーになると大きなお土産をいただけることになります。

 ある時、クラブメンバーだけの集まりが、人も羨む世界的高級リゾートで開催され、奥さんや恋人同伴で招待されました。ハワイ、バリ、グアム、サイパン、ロタ、シドニー、ボストン、パリなど数え上げればきりがありません。全て報奨金の代わりとなるもので、二人分の旅費はロハです。もっとも後日年収に積算され税金は個人負担となります。同伴者を誰にするか悩みどころです。

奥様と連れそう堅実派タイプ

父や母を連れて行く乳飲み子タイプ

恋人を堂々と連れて行く行動派タイプ

クラブの女性を伴う豪傑タイプ

皆さん本当に様々です。

 営業から外れますが、外資系の企業では、親会社からのインセンティブ(ストックオプション)もあります。但し一般社員にとっては関係ない場合もありますのでお断りしておきます。

 Personnel Use Onlyと赤いスタンプが押された大型封筒が決まった時期に届けられます。秘密の書類。ラブレターに近いものがあります。胸が少しばかり高鳴ります。Stock Holder各位から始まって、あなたの特別報奨金を用意してあります。いつでも換金できます。多くは現地法人のトップが本社に推薦してはじめてその権利が得られます。子飼いにはどこまでも厚く、忠誠心のある者だけの特権です。何とありがたいことか、涙を流す場面です。対象者が誰なのかはトップしか知りません。その通知を受けた時の喜びは言い尽くせません。「よし、この社長についていこう」と固く心に誓う輩が会社には何人かいます。「許せない」と怒りに震えるあなたは未だ修行不足です。何故かというと金額が半端じゃありません。100万円?300万円?うそ!じゃ1000万円?そんな馬鹿な!その通り、そんな馬鹿なという数字のインセンティブが与えられるのです。誰もがCEOを狙う外資系企業。一攫千金を狙うあなたにはぴったりかもしれません。けれどそれは保証の限りではないことを肝に銘じておきましょう。読者の健闘を祈ります!【了】

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外資系企業を志す⑨異動打診

 長いサラリーマン生活を続けていると、会社都合による異動は必ずあります。中でも急成長期にある会社では日常茶飯事と言えるでしょう。特に外資系企業では、その時の経営環境に合わせて組織の離合集散を頻繁に行う傾向があります。恐らく入社以来、一度も異動を経験しない人は稀ではないでしょうか。業績が好調であれば、当然組織も大きくなりポストも増えていきます。反対に不況の嵐に遭遇すれば縮小に向かう事になります。組織人は常に異動の危険にさらされていると考えるべきです。この時、異動を飛躍のチャンスと捉えるか左遷と捉えるか冷静な分析と判断が必要となります。本社から支店へ、地方から都心営業所へ、研究職から管理職へと様々なケースがあります。

 ところで、あなたの異動は誰が決めると思いますか?

 直属の上司でしょうか、はたまた人事部の人でしょうか、考えたことがありますか?勿論最終決定者は社長であることは日本の企業でも同じです。一概には言えませんが、直属の上司というのは意外と少ないものです。組織を司る管理職の多くは、波風の起こる事を極力避けようとするもので、自分に課せられた業務を遂行する際支障となることを嫌います。余程出来の悪い社員は別にして、現有財産をもぎ取られることに抵抗を示します。中でも優秀な社員をプロモート(昇格)で異動しようとすると、組織防衛に走ります。有能な社員を他部門に引き抜かれるからです。

 人が人を評価することは、言うは易し行なうは難しで、どの会社でも苦労しています。様々なシステムを導入し、改良・改善を加えていますが、これで満足といった評価方式を持っている会社はそう多くは無いでしょう。あなたを評価し、能力や力量を認めてくれるのは、一次的には直属の上司です。同様にあなたの同僚は勿論、先輩、他部門の上長や同僚の目があることをご存知ですか?一見関係ないと思っていた他部門の人があなたの日々の仕事振りを認めて、自部門に引っ張り込むということも少なくありません。業績好調なある部門があったとしましょう。社内から誰をもってくるか。最初に人事データから学歴・職歴・適性検査結果などを参考に一次スクリーニングを行ないます。これからの作業が問題です。

 候補者が複数の部門にいるケースも稀ではありません。密かに練られたプロモーション計画は、経営幹部に上申され内諾を得ます。この際、最終的に絞り込むまで、候補者の所属長に相談することは先ずありえません。候補者を決めてからその上長に打診と言う形で話が持ち込まれます。もうお分かりでしょう。打診とは名ばかりで、あなたの上長に打診があった時には、すでに決定されているのです。それを覆すだけの有力な正論が無い限り、受け入れざるを得ないのがあなたの上長です。

 これでもあなたは、上長から異動の打診を受けたら拒否をしますか?

 もし、拒否すれば結果としてあなたの上長を苦しめることになります。また拒否をしても、企業は労働基準法に照らして問題なしと判断すれば、天下の宝刀「転勤命令」つまり辞令を発令します。会社の就業規則をもう一度読み直して見ましょう。異動・転勤・配置転換の項目に何と書いてありますか。然るべく理由の無い異動拒否は解雇の対象になると書いてあるはずです。

 優秀なあなたなら、部門外の人があなたを狙っているかもしれません。その時、あなたはどうしますか?外資系企業では当たり前なことです。【了】

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2006年3月 4日 (土)

外資系企業を志す⑧ホームパーティー

 クリスマスやお誕生祝いなどで自宅のパーティに招かれることが度々あります。秘書が開催される、2-3週間前から出席の可否を尋ねてきます。これは、社長夫人が何人分の食事を用意しなければならないかを早く知りたいためです。

 ところで、プライベートなパーティは断ってもいいものでしょうか? 答えは勿論イエスです。但し条件つきですが・・・。

 外国に行くと良くホームパーティのお誘いを受けます。客人を歓待する気持ちを表す手段として、家庭に招くことが最善と考えている彼らとしては普通の事です。現地でバイスプレジデントのパーティに出席した時のお話をしましょう。

 富裕層である彼らの屋敷はとてつもなく広く、プールつきはごく当たり前です。中でもラージハウスといわれる住居には度肝を抜かれる程です。広大な?スペースに西洋のお城と見間違う壮大な家にテニスコートとプールがついています。同僚や部下であるお客様が到着すると、映画のワンシーンに出てくるような光景が繰り広げられます。

 真っ赤な太陽が沈みかける頃、奥様連れの高級車が玄関に到着します。運転席の亭主がすぐさま助手席に廻り、奥方をうやうやしく車から降ろします。迎えでた家の主と夫人が満面の笑みをたたえ出迎えます。何年振りかで再会したかの様な表情豊かに話し出します。異国からきた私達からすれば、何とも微笑ましい再会シーンに思えます。

 パーティが始まると、家主の亭主が甲斐甲斐しくホスト役を努めます。会社では見ることの無い笑顔で接します。会社にいる時とは別人になっています。普段、イエスサーと言わせている部下や同僚に対して、わけ隔てなく愛嬌を振りまきます。そう見えます。奥様方も夫人と親密そうに話しています。ワイン片手にいかにも楽しげに、誰もが認め合い、和気あいあいのうちに夜が更けていきます。みんな楽しそうで羨ましいくらいです。

 実はそうではありません。アメリカ人ほど上司を立てる人種はありません。仕事の最終責任者及び決定者は上司です。それだけに絶対権限を持っている場合が多く、「俺の出世する時はお前も出世する時だ」「俺が辞める時は、お前も辞める時だ」日本人社会のことを言っているのではありません。これがアメリカ社会というものです。アメリカ人は、「日本人以上に義理人情の世界にいる」とは、日本人のアメリカ通の言葉です。

 ホームパーティの席がどんなものであったかは、もうお解りいただけると思います。何があってもパーティに駆けつける、奥方は家主の夫人の機嫌をとる、亭主の売込みをする、忠誠を誓うなど仕事の延長線上にパーテイがあるのです。もっとも、広大な国に住む彼らは、日本の様にちょいと出かけるといっても、ダウンタウンまで車で小1時間も走らなくてはなりません。気心の知れた仲間同士があみだした、生活の知恵がホームパーテイと言えなくもありません。

 テキサス州ダラスに出張した折、ホームパーティに招かれました。ラージハウスは予想以上に大きな家で、玄関を入ると3階まで吹き抜けのホール。何と内廊下が四方をめぐっており、部屋数6、寝室4、バスルーム2とは驚きでした。プールサイドに設えたバーベキューセット、メインホールには飲み物、果物、軽食等。全部で25名ほどでしたが、主は例によってホスト役を引き受け、肉を焼いたり、ビールを冷蔵庫から出したりと大奮戦で汗だくだく。見ると夫人の回りには、出席した奥方が輪になっていました。ああ、涙ぐましい努力、思わず脱帽でした。あなたは、パーティに出ますか?欠席しますか?【了】

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