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2006年4月23日 (日)

産科・小児科の分業化を考える

 国が少子化問題の議論に拍車をかけようとしている時に、地方を中心に多くの医療施設で産科を廃止または一次中止するところが増えてきました。中でも離島では深刻で、産科医がいないため、その都度本土に行って生まなければならない状況になってきました。女性が子供を産み易い環境作りも重要です。国会で議論されている各種の諸策が早期に制定される事を希望します。がしかし、産科医師不足はそれ以前の問題として、国民一人ひとりが真剣に取り組む必要があります。

 過酷な労働に加え処遇や医療過誤に対する不安から産婦人科医になろうとする人が減っているのが原因です。今や小児科医と並んでなり手の少ない医師領域です。先日、テレビの報道番組で産科医師の奮闘ぶりを拝見しました。昼間の回診・診療に始まって夜間の手術と身を粉にして働く姿には頭が下がる思いでした。あまりに過酷な病院での産科医療現場から逃れ、個人の裁量権に任される診療所を開設する医師も少なくないと聞きます。こうした現状を早く改善することで医療過誤の発生も食い止められるのではないでしょうか。夜勤明けにトラブルが多いということも耳にします。

 日本産婦人科学会が医師不足の対応と併せて新システムの導入に積極的です。これはオープンシズテムと呼ばれるもので、開業医では初診や経過観察を担当、分娩時期には地域の中核病院に設置されるバースセンターで分娩を行なおうとするものです。産科医療の分業とでもいいましょうか。すでにアメリカでは大分以前からこうした方法がとられています。バースセンターには産科医のほかに専門医が協働して出産にあたりますから通常の分娩以外に、救急への対処が速やかに行なえ結果として事故が少ないと聞いています。

 すでに実施している一次医療と二次医療や高度医療という考え方に立って、産科領域も分業化することで効率的な医療が行なえるのではないでしょうか。単に効率のみを求めててはいけないことは十分承知の上ですが、シェアリングのメリット・デメリットを見極めた上で早期に体制作りがなされるよう切望します。

 少なくとも、救急患者のたらい回しに見られる「分娩受け入れ先のたらい回し」とならない様、国は早急に対策を立てる必要があります。【了】

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