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2006年8月14日 (月)

院内感染予防策(シューズカバーの活用)

 2006年:高知大病院(1名)東京都老人医療センター(2名)、2005年:長崎大病院(5名)益田赤十字病院(2名)、2004年:阪大病院(1名)京大病院(2名)、埼玉医科大学病院(6名但し2004年からの通算)

 上記の数字は、院内感染による死亡者の数です。多剤耐性緑膿菌による死亡例が年々増加し、大きな社会問題となっています。緑膿菌は洗面所やトイレなどにとどまらず、人間の皮膚や気管にも常在し、病原性は低く健康な人には感染しませんが、体力や免疫力が低下している患者さんに感染すると重篤な状態を招き、死に至ることもあります。また院内感染を引き起こす細菌は、多剤耐性緑膿菌だけに限らず、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、セラチア菌、レジオネア菌などによる感染も深刻な問題です。

院内感染経路を辿ると以下の3つに大別できます。

①接触感染 MRSAやO157などにみられる保菌者の皮膚や粘膜などに触れたり、食器や衣類などに間接的に触れることで感染するもの

②飛沫感染 インフルエンザや風疹ウイルスなどのように、病原体が保菌者のクシャミや咳などで飛ばされ感染するもの

③空気感染 空気中に浮遊した病原体を吸い込む事で感染するもの

 病気を治すはずの病院で、患者から患者へ細菌・ウイルスが次々に移ってしまう、院内感染は治療中である患者にとっては大きな脅威です。特に体力や免疫力のない老人にとっては感染が命取りになることがあります。さらに主な病原体の運び役になっているのが医師や看護師などの医療従事者と見舞い客であるとなると、ほっては置けない社会問題です。

 医療従事者は、院内感染の重大性と社会問題化したことから、院内感染防止マニュアル整備などにみられる予防への取り組みが強化され実施されるようになりました。手術時の手洗いの励行に始まってカテーテルや消耗品類の患者ごとの交換などがその例です。院内感染の主な原因は、接触感染といわれています。医師や看護師が患者の肌や粘膜・分泌物などに触れた後は必ず手洗いをすることが義務化され習慣化してきました。また治療の立場では、むやみやたらと抗生剤を投与しないなどの工夫が見られます。さらに最近は院内の清掃にも最新の清掃方法が取り入れられクリーンな施設を心がけている病院も増えてきました。懸命に努力している医療施設には頭が下がります。

 一方部外者である、見舞客や出入り業者など全ての健常者はどうでしょうか。院内感染のことをきちんと理解し、予防策を講じて出入りしている人がどれくらいいるでしょうか。もちろん一般的には常在菌は誰もが保有し、健常者間では問題になることではありません。ところが、見舞客が外から運び込む様々な菌(常在菌・病原菌を問わず)に無防備な施設がほとんどです。近頃、スリッパを使う施設は少なくなり、土足のまま病室へという形態がほとんどでしょう。外を歩く靴には、様々でたくさんの菌が付着しています。菌の運び役の主役が見舞客としたらこれ程危険なことはないでしょう。

 医療施設では一生懸命、院内感染防止に取り組んでいるというのに、出入りする見舞客が大量の菌をせっせと運んでくる構図はどこかチグハグです。病院に菌を持ち込まない工夫をもっと真剣に考えるべきではないでしょうか。患者・医療従事者・見舞客と三位一体の創意工夫が今求められています。

 そのひとつに「使い捨て型の抗菌シューズカバー」を持参または病院で常備し、入る時には装着を義務付け、出る時には専用の廃棄箱に捨てることにすれば、かなりの防菌対策になると考えられます。雨に日には、入り口で必ず見られる雨傘のカバーと同じ様に取り扱うことで、有害な菌の進入を未然に防止することが院内感染の一助となるのではないでしょうか。勿論シューズカバーだけが有効というわけではありません。できることからやるという、小さな心がけが最大の効果を生むものと思います。【了】

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2006年8月12日 (土)

中高年転職成功の秘訣

 厚生労働省市場化テストの一環である、キャリア交流プラザでセミナー講師を務めた経験から、中高年の方々の「転職の秘訣」といったものを考えてみたいと思います。

 市場化テストのキャリア交流プラザには、45歳から60歳までの俗にミドルキャリアといわれる就職希望者が参加します。ハローワークや人材銀行で行っている転職支援サービスを民間の転職支援サービスのノウハウを導入する事で一層の再就職の促進を図ろうと官から民へ委託された事業です。

ある日の受講者はおよそ30名でした。

 教室に入ると受講生が一斉に熱い視線を送ってきます。誰もが早期の再就職を志して就職活動を行なっている人達ですから当然です。今日はどんな話が聞けるのかなといった期待感が伝わってきます。失業中といっても暗い雰囲気はなく、生活のゆとりといったものを感じさせます。それもそのはず、人材銀行に登録できる人ですから、失業前はそれなりの会社でそれなりのポジションにあったからでしょう。

 最初に新入社員に期待する人物像のお話をした後、実務経験者(中高年のキャリア)に求められる人物像を考えていただきました。新卒者に求められる第一位はコミュニケーション能力、第二位は基礎学力、第三位はビジネスマナーであることを説明し、ワークショップに移り、5~6名のグループで話し合い、意見をまとめていただきました。

結果は

①やる気・積極性

②コミュニケーション能力

③統率力

④協調性

⑤即戦力

 などが高い項目でした。以前このブログ欄で「経験者に求められる人物像」を書いたことがあります。重要なことは、①知識②経験③コミュニケーションスキル・資格④やる気・積極性でした。

⑤を除く項目はいずれもヒューマンファクターであり、これらは新入社員にも共通するものでキャリア特有の項目ではありません。どうやらなかなか経験者特有の項目を見出し難い様でした。あなたはいかがでしょうか。

ではミドルキャリアにとって一番大事なものを以下に述べる事にします。

【実務経験を売る(実績)】

 新人との決定的な違いは、すでに実務経験があるということです。長短はあれ、どのような仕事に携わってきたとしても実務経験があることに違いありません。企業が経験者を何故採用するかと言えば、即戦力が欲しいからです。しかしながら単に業務経験があるからすぐ使えるとは限りません。そこで浮上してくるのが、前職での実績なのです。営業であれば、対目標に対して、対前年度に対して、市場伸び率に対して、対寡占度に対してなど等様々な尺度で達成度を測る事ができます。「目標に対して135%の売上でした」とか「前年度比150%でした」などと具体的な数字で示せるものを持っている人を企業は求めています。実績こそが業務経験であると言えます。小さな目標でも、ささやかな目標でも結構です。堂々と実績を語れる人こそ即戦力と考えられるのです。これは事務職の方とて同じで、人件費や消耗品費をどの程度低減できたかなど表現する事ができます。

【元気さを売る(やる気)】

 同じ50歳でも45歳に見える人もいれば、60歳近くに見える人もいます。この違いは何からくるのでしょうか。気力ややる気のほとばしっている人ほど若く見えます。白髪とか禿げなどは気にしなくて結構、常に積極的にモノを考え、目標に立ち向かう人こそが欲しいのです。ただその場合でも、謙虚さや傾聴の気持ちを持っていなくてはいけません。元の会社はこうだったとか、意味も無くいばるとか、人間性に関しては謙虚さを持つ人を希望しています。そしていかにやる気があっても体が弱くては仕事を行なえません。何よりも健康体である事が社会人として最低限求められる人物像といえます。元気があって、実績もある人こそ即戦力と思うのは私だけでしょうか。【了】

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