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2006年9月24日 (日)

統一性のない指導力不足教員の認定基準

 文部科学省は、2005年度都道府県別「指導力不足」教員数が2年連続の500人を超え、506人であったとの調査結果を発表しました。授業内容や子どもとの接し方に問題があるとして「指導力不足」と認定された教員のうち、05年度の新規認定者は246人、退職者は111人、復帰者は116人、残りは研修継続や休職となっています。驚くのは、在職年数20年以上が59%、10-20年未満が35%で、憧れの教職生活についたものの年月と共に脱落していく構図が見て取れます。

 現在、国公立教員は約100万人といわれています。その中で指導力不足と認定された教員が僅かに506人、百万分の五百六とは余りに信じられない程低い数字です。また、各都道府県別の指導力不足教員数を見ると、栃木県(1人)新潟県(2人)沖縄県(3人)以下、青森・福島・群馬・岐阜・山口などと続きます。学校間格差である学校数・生徒数が少ないといえども県内で一人という数字に疑問符をつけざるを得ません。

 企業に勤める方ならどなたでもご存知の「いい子・悪い子・普通の子」の原則にあてはめれば数千人や一万人いても驚かない数字です。どうしてこんなにも少ない数字なのでしょうか。

 認定にあたって、国による一律の基準は無く、各都道府県・政令指定都市教育委員会が独自に実施しています。病気の場合は対象外で、校長が独自の「判定基準」に基づいて教員を評価し、指導力不足と判断した場合に教育委員会に報告。教育委員会は事実を確認して、第三者を交えた判定委員会で決定するプロセスをとっています。判定基準の例として「児童らの学力を考えずに指導する」「広く豊かな教養に欠ける」「自習時間が多い」などの項目を設けているようです。

 地域バラバラの基準で判定された指導力不足教員は目も当てられません。蜥蜴の尻尾切りや見せしめ的な認定で終わっているのではないでしょうか。もっとも国家公務員を首になっても他の自治体への就労は可能ですから、別の学校で働けばいいことになります。現行の認定方法がどこかおかしいと思うのは私だけでしょうか。もっと厳しく、全国一律の認定方式が導入されてこそ、公平な評価基準といえるのではないでしょうか。【了】

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2006年9月18日 (月)

恐るるなかれ学校の通信簿(課題の改善・改良の第一歩)

 文部科学省が平成20年度以降の全国実施をめざして、全国の小中学校124校で学校評価が実施されることになりました。呼応するように「学校評価の推進に関する調査研究協力者会議」がまとめた、5段階による学校評価の実施に様々な意見が寄せられています。義務教育の質の保証を目的として「極めて優れている」から「要改善」までを5段階に設定、全国一律基準の学校評価は前後初めてとなる①学校における教育②学校の管理運営③保護者地域住民との連携の三大項目を柱に18の項目にわたり調査が行なわれます。

 細部の評価項目を見ると、学力評価ではなく教育環境評価であることがわかります。一部には「管理強化」とか「没個性化」を懸念する意見があるようですが、学校といえどもその運営内容に関して第三者機関が分析評価をし、見出された課題や問題点を改善・改良につなげていく事こそ大切なことではないでしょうか。

 閉じられた社会ではなく開かれた学校教育の場こそ今まさに求められています。要は評価結果をいかに生かすかであり、評価を実施すること事態は賛成です。

 分析されたことから、問題点があるとすれば教育者・生徒・保護者が客観的な指摘を参考に具体的な改善策を考える事ができます。それぞれの立場で「考える」ヒントが生まれてくる事と思います。

 私学においては、当の昔から自校の置かれている立場や他校の動向などを積極的に分析し経営管理に生かしています。義務教育だから違うと言う人もおられるでしょう。何もしなければ何も起らないでは問題を引きずったままです。義務教育改革にも第三者機関の評価があってもおかしくないと思います。【了】

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2006年9月 2日 (土)

偽装請負-真価が問われる労働組合-

 厚労省が偽装請負解消へ向け研究会を設立するそうです。ここ数年来、偽装請負が大きくクローズアップされています。わが国有数な企業が労働力の安価な調整弁として「違法行為」に手を染めていたと聞き、ただ驚くばかりです。

 ハイテク関連企業で偽装請負が頻発している背景には、コスト削減と技術流出を防ぐため国内生産せざるを得ないと言う事情があります。だからといって、安価な若年労働者を違法に雇い入れ操業していいはずはありません。調査によれば、約200万人と言われる請負労働者の時給は1000円内外、昇給やボーナスもなく年収200万円程度と聞きます。更に容易に解雇できるとあっては、企業にとってこれほど好都合なことはありません。景気の緩やかな回復につれ、ボーナスを支給する企業が増えてきました。雇用が確保され、ボーナスまで支給される正社員との差は開くばかりです。

 労働組合はことの重大性や違法性を承知していなかったのでしょうか。もし、認識していたとすれば経営者と同罪となります。雇用環境整備や処遇の改善に取り組むはずの労働組合が偽装請負の実態を把握していないはずはありません。社内では、アルバイト・パート・契約・業務委託・派遣などの身分は明確に正社員と区別されており、あきらかな違法労働行為は予見または把握できたはずです。

 バルブ崩壊後、御用組合と化した組合は、社員の雇用継続に心血を注ぐあまり、請負や派遣社員に目を向けてこなかったと言われても致し方ないのではないでしょうか。むしろ歓迎してきた嫌いがあります。企業と組合がぐるになって見逃してきたツケは今後問われることになります。今こそ原点に帰って、働く者全ての雇用条件改善に取り組むべきではないでしょうか。製品を作り出すのは正社員だけではないことを肝に銘じ早急な改善を期待したいと思います。【了】

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