« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2007年4月29日 (日)

厚労省はハローワーク市場化反対の理由開示を

 厚生労働省管轄の市場化テストが、この4月から本格的に動き始めました。ハローワーク(公共職業安定所)以外の、キャリア交流プラザ事業(北海道・埼玉・東京・神奈川・新潟・愛知・京都・福岡の8ヶ所)、人材銀行事業(東京・神奈川・福岡の3ヶ所)、求人開拓事業(青森東青・福岡筑豊の2ヶ所)とアビリティガーデンにおける職業訓練事業及び私のしごと館における体験事業となっています。民の経営ノウハウを取り入れ、官ではできなかったことを実施し、所期の目的を果たして欲しいと思うと同時にその成果に期待している一人です。

 今回、事業の中にハローワークが対象となっていないことに疑問を感じる人も多いと思います。何故ハローワークは例外なのでしょうか。報道によれば、厚生労働省がILO88号条約をハローワーク職員の雇用を守る手段として捉え、強行に反対しているためだそうです。今から54年も前に批准した同条約を盾に職員の雇用保障を求めているわけです。批准の趣旨から逸脱した解釈に腹立たしさを覚えます。条約が目指したのは、民間業者による人身売買や中間搾取を追放することでした。まかり間違っても、ハローワークに働く職員の雇用を守るためのものではなかったはずです。時代背景も変わり、ニーズも多様化した現在において、経済財政諮問会議が提出した市場化テストを拒み続けていることに疑念を抱かざるを得ません。もちろん、これだけの理由と思いませんが、説明のない現状では勘ぐりたくなります。

 既にキャリア交流プラザ事業や人材銀行事業が動き出している中、ハローワーク事業だけが例外という主張には一貫性がありません。ハローワークの関連事業を民間にゆだねているだけだと厚労省は言っている様ですが、人材銀行事業とハローワークと何が違うというのでしょう。人材銀行に登録できる資格制限が設けられているだけで、その中身に違いはありません。

 批准があるからただ反対ではなく、「ハローワークの運営を民間に包括的に委託し、官が監督する」という新提案が受け入れられない具体的な理由を開示すべきではないでしょうか。批准ありきではなく、国民の職業安定事業はどうあるべきか、国の財政改革をどう進めるべきかを議論すべきではないかと思います。事によっては、批准から逸脱することも視野に入れる必要があります。諸外国の中ではその動きをしている国があるくらいです。過去の例を引くまでもなく、JRが民営化された時議論された内容を再度思い起こし、民でできるものは民に任せるという積極的な姿勢が今強く求められています。厚労省は、国民にハローワークの市場化テスト反対の理由を具体的に開示する責務があると思います。【了】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月21日 (土)

みなとみらい21大道芸

 快晴に恵まれた4月21日(土)、みなとみらい地区13会場で、2007みなとみらい21大道芸が開催されました。様々な大道芸を満喫することができるとあって、どの会場も親子づれや恋人同士などで非常に盛況でした。インフォメーションセンターのある、JR「桜木町駅」やみなとみらい線の「みなとみらい駅」などから、みなとみらいという、広い地域に分散された会場の中からお好みの大道芸を求めて行きかう人々で混雑していました。その中から、グランモール公園(円形劇場)で披露された、くるくるミルク(パントマイムとジャグリング)とクイーンズサークルでの中国雑技団(中国雑技とアクロバット)を鑑賞することができました。何よりも強く印象に残ったのが、大道芸に賭ける芸人の根性と芸の素晴らしさです。くるくるミルクが出演した会場は、海に近い野外ということもあって、風が強く、バランスをとるのに苦心している様子が観衆にも十分伝わってきました。そしてちょっとしたミスも芸に変えてしまうパフォーマンス。心の洗濯が出来た一日でした。【了】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハローワーク市場化テスト本格的始動

 市場化テストによる官業の民間開放が今月から本格的始動しました。官の仕事を民間委託で進め、国や自治体の経費削減やサービスの向上を目指すものです。今年度から実施される厚生労働省管轄の市場化テストは、キャリア交流プラザ事業(北海道、埼玉、東京、神奈川、新潟、愛知、京都、福岡の8ケ所で各3ケ年)・人材銀行事業(東京、神奈川、福岡の3ケ所で各3ケ年)・求人開拓事業(青森東青、福岡筑豊で各1ケ年)及びアビリティガーデンにおける職業訓練事業・私のしごと館における体験事業となっています。このうち、ハローワークキャリア交流プラザ東京(株式会社ヴェディオール・キャリア受託東京労働局委託事業)の現地レポートです。

 キャリア交流プラザ東京に参加するには、ハローワークに登録した人の中から、ハローワークの推薦基準(①45歳から60歳未満のホワイトカラー希望者②35歳以上45歳未満の技術職希望者③離職から1年以上経過している45歳以上60歳未満の人)を満たす方が参加できます。1期(各回)の定員は50名で、受講期間は3ケ月間となっています。年間、1期から14期まで実施予定で、約700名の受講が可能です。ここでは、再就職にまつわる個別面談、履歴書・職務経歴書の書き方、面接ロールプレイ、パソコンスキルの習得、特別セミナーの受講そして参加者との交流を通じて、早期の再就職を目指します。受講料は、もちろん無料です。

 4月19日(木)東京品川・港南口にあるハローワーク品川の6階(受付)、7階にあるキャリア交流プラザ東京を訪れました。6階受付は、とても明るく、綺麗な佇まいで会社の受付カウンターといった面持ちです。会議室やセミナールーム・図書室・個別面談室・スタッフルームなどが配置され、7階には、PCルーム・セミナールーム等があります。

 当日は、特別セミナー「企業が求める人物像(経験者編)」が行われており、定員50名に対して23名が参加。既に求職活動を始めている方が全体の60%で、残りはこれから活動を開始しようとする方でした。最初に講師から求人状況の概況説明が行われた後、本題に入り、まずは新卒者に求められる人物像の解説がなされました。熱心にメモをとる人、頭を上下に大きく動かして頷く人など様々です。休憩を挟んでワークショップに入り、6人1組となり、経験者に求められる人物像についてグループディスカッションを行いました。各人が今までの経験談を基に活発な意見を述べ合い、時にはユニークな発想に、思わず笑い転げたりしながら、和気藹々な雰囲気の中、45分間でグループの意見をまとめあげました。次のグループ発表で、討論の結果を互いに理解する時間が持たれました。

締めくくりとして、講師から、企業が経験者に求める人物像として以下の解説がありました。

 知識(専門知識・製品知識・業界知識)のある人

 経験(実績・専門または管理能力・人脈)のある人

 スキル(コミュニケーション能力・語学力や資格・PCスキル)のある人

 体力気力(健康・積極性・前向きな姿勢)のある人

また、正社員という雇用形態に拘泥せず、契約社員や嘱託、顧問、業務請負など柔軟性のある捉え方を持つことも必要との説明を真剣に聞き入っていました。

こうして、約2時間のセミナーが終了しました。

 受託会社である株式会社ヴェディオール・キャリアの運営責任者は、「参加者の早期再就職は当然ながら、どうしても気分が荒みがちな参加者に、民のサービスノウハウを駆使して、居心地の良い場所と雰囲気を提供することで、精神的なバックアップにも気を使っている」とのことでした。また、未だスタートしたばかりで、定員数からいって充分余裕があるので積極的な利用を期待していると話されていました。

 既に登録者の中から再就職した方もおり、出だしは順調のようです。しかしながら、これからの課題の一つに登録者の確保があります。前述したように、当日のセミナー参加者数は定員を満たしていませんでした。キャリア交流プラザの参加受付は、ハローワークが窓口となっています。まずは定員を確保することが第一命題と考えられます。定員を大幅に上回る再就職希望者がいる中で、プラザの認知度不足で有効に活用されないとしたら、市場化テストそのものが問われかねません。

官から民への移行で、その成果がでるまでに少し時間がかかるでしょうが、民間企業の英知を結集して、この市場化テストが成功裏に終わる事を期待したいものです。また、再就職希望者が一人で悩むことなく、志を同じにする方々との交流の場を有効に利用することで、再就職の足がかりを掴んで欲しいと願わずにはおれません。【了】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月15日 (日)

83歳の恩師から「元気」をもらう

 アメリカに住む恩師が来日し、東京で久しぶりの旧交を温め合うことができました。参加者は関東近県に住む男女8名で、午後7時に指定のホテルロビーで待ち合わせ、ビュッフェスタイルの夕食会に出席しました。団塊世代を含むそれより少し上の方ばかりでしたから、周囲の人は老人会の集まりに見えたかもしれません。

 恩師であるその人は、日系二世でアメリカダラスに一人住まいをされ、風貌は日本人中身は外人という人で、日本語は話すが字の読み書きはできない変な外人です。往年アメリカ出張の折には大変お世話になりました。出張の折、風邪を引いてホテルの床に伏した際、何度も見舞いを受け心労をかけてしまいました。風邪が治り、数日後ホームパーティーに招待された時出されたほっかほっかの白米とたくあんは涙が出る程嬉しかったことを覚えています。

 恩師は、83歳とは見えない溌剌とした方です。近くなったとはいえ、成田・ダラスまで約12時間のフライトを耐える気力だけでも素晴らしいのに、非常にバイタリティのある方で陽気な性格、人柄はこの上ない紳士といったところでしょうか。

元気の源は何かと尋ねると、

①常に前向き

②いちいちくよくよしない

③知人・友人をたくさん持つ

④行動力

⑤適度な知的運動

という答えが返ってきました。定年を過ぎた団塊の世代には、薀蓄のあるお言葉でした。みなさんはどう思われますか?【了】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

特許強制実施権乱用でメガファーマが潰れる!?

 古今東西、特許侵害に関わる係争は後を絶ちません。電気製品・通信機器・カバンや時計・CDソフト・書籍など模造品のオンパレードです。アジア・中国を中心として、コピー製品が白昼堂々と売られている姿を映像を通してよく見かけます。中国などでは、見せしめの一環として、CDをトレーラーで粉砕するデモンストレーションを時たま行ったりしています。

 電気製品や消耗品などは直接人体に危害をくわえるものではありませんので、高みの見物もできましょう。しかし、これが医薬品の世界にも飛び火し、大問題になっています。私達が疾病時に投与される医療用医薬品に関して、世界貿易機関(WTO)協定で定められた「強制実施権の発動」という一般には耳慣れない事態が世界で起こっています。

 つい先ごろ、先発メーカーのアステラス製薬がジェネリック医薬品メーカーである大洋薬品工業を特許侵害で訴え、裁判の結果、特許侵害が認められ製造などを差し止められました。誰しも特許を侵害すれば訴えられ、裁判となり、負ければペナルティーを払うことになることぐらいは知っています。ところが、強制実施権というのは「特許権者から許諾を得る努力を行って、合理的な期間内にその努力が成功しなかった場合、政府または政府に任命された第三者が、特許権者の承諾を得ていない特許対象を使用することが認められる」というものです。平たく言えば、政府は製薬企業の特許を無視して、勝手にその会社のゾロ製品を製造してもよいという私達の常識を超える異常な状況です。

 台湾の行政衛生当局が、独占製造権を持つ世界的メガファーマであるF・フォフマン・ラ・ロシュ社の許可を得ることなく、類似薬の製造に踏み切りました。

 タイ政府は、昨年11月、米メルク社が特許を持つエイズ治療薬に対して強制特許実施権を発動し、国際問題を引き起こしています。事態を重く見た、米国有数の製薬会社アボット社は、今後、タイで新薬の販売を行わないという強行措置にでました。

 強制特許実施権発動の背景には、あまりに高い薬の値段のため、貧困に苦しむタイの患者さんに薬が行き渡らず、死に至るケースが多く、このまま放置できないという事情があります。背景を十分理解し、世界的な支援体制が必要であると思います。発展途上国に対して値段を大幅に引き下げるまたは一定期間無償供与するなど、財政的な支援はもちろんのこと医療支援対策を早期に強化する必要があります。このため、日本政府もタイの悲惨な現状から様々な支援活動を行っています。

 自国そして世界各国の体制・支援が十分でないからといって、「特許破り」を赦していいものなのでしょうか。最低限のルール遵守が必要です。国際的なルール無視は必ずきしみを生み、紛争になるものです。現在のところ貿易関税の強化などで済んでいますが、頻発すれば政界的な紛争の火種になると思います。

 製薬企業にとって15年~20年の年月と莫大な研究開発費(1000億円もざら)をつぎ込み、生みの苦しみを経て上市します。その途端に類似品を他国で製造されては、企業原理からいって新薬の研究開発は成り立たなくなります。強制特許実施権が乱発されれば、世界的なメガファーマの落日はいずれやってくると思うのは危惧でしょうか。【了】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »