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2007年6月30日 (土)

オーマイニュースの課題と提言(‘07世界市民記者フォーラムに参加して)

 日本のオーマイニュースが創刊されて間もなく1年を迎えます。先日、韓国ソウルで開催された2007世界市民記者フォーラムに参加する機会がありましたので、そこで知りえた情報を参考に日本のオーマイニュースの現状と今後を探ってみたいと思います。

 冒頭に、韓国及び日本のオーマイニュースは大きな曲がり角にきているというのが率直な感想です。韓国では一時の熱狂的な反響の嵐が過ぎ去り、今後の新たな方向性を模索している状況です。一方日本ではどうかというと、いまひとつ社会や読者の反応がなく伸び悩んでいる現状であると思います。共通するのは、「今後どうするか」という共通の課題を抱えているというのが率直な感想です。

 このため、日本でも新たな試みが始まっています。元木編集長の新体制になって、確実に変化しているあるいは変化しようとしているオーマイニュースと言えるでしょう。ホームページのリニューアル・Phot/TVの新設・研修プログラムの導入・週間優秀賞の導入など、良し悪しは別にして「変化する兆し」が感じられます。では何故変化しようとしているのでしょうか。答えは明瞭で、読者からみてメディア新聞としての魅力に欠けるためと言って過言ではありません。オーマイニュースが今後どうあるべきかを念頭に置き、従来の枠を打ち破って新たな試みをもっと大々的に展開して欲しいと思います。また、市民記者の今以上の活躍(現在定常的に記事を投稿している市民記者は数百人程度)こそがオーマイニュースを大きく飛躍させる原動力であり、社会に認知されるメディア新聞になれるものと確信します。市民記者一人ひとりが記事を書かなければ何も変化はおきないことも事実です。単に編集部を批判するだけではなく、市民記者が記事を投稿しなければ何も始まりません。魅力あるオーマイニュースとするためにはどうすべきかを考えてみたいと思います。

 「低迷するオーマイニュース」という記事を読むたびに胸にチクリと感じているのは私ひとりでしょうか。もっとも、それだけ世間の期待が高いと考えれば少しは心が落ち着きます。では、読者が増えない及び市民記者の登録が思うに任せない原因はどこにあるのでしょうか。本場、韓国であれほどの盛り上がりを見せたオーマイニュースでも、04年の一日のページ閲覧数674万件をピークに減少し続け、現在は90万件程度と聞きます。一言でいえば、低迷していると言えるでしょう。事実、韓国のスタッフとの対話から感じることができました。その原因は様々です。似たようなメディア新聞が次々に創刊されたことや興味の対象がゴシップやエンターテイメントを読者が好むなどといったことです。日本の場合、アクセス数は公表されていませんので分かりませんが、市民記者登録者数でみると06年に5000人確保の夢破れ、創刊後1年を迎えようとする現在、3500名程度と目標には遥かに及びません。到達率は1年を迎えようとする現在、70%です。また今のオーマイニュースをブログの延長と見ている方が結構います。友人に市民記者の登録勧誘をすると「趣味で市民記者をやっているんですか。いいご趣味ですね」と言われるのが落ちです。日本のオーマイニュースは、韓国と違い未だ知名度が低いネット新聞といった現状だと思います。現にチャンネル2やJUNJUNは知っていてもオーマイニュースは知りません。

 この様な状況を踏まえ、逆境をチャンスとすべく、日本のオーマイニュースが抱える問題点といつくかのアイデアを提案したいと思います。市民記者全員が知恵を出し合えば、きっと明るい前途が見えてくるはずです。

(編集部へ:この記事を参考にしていただき、全国的なキャンペーンの展開を提案します。今、キャッチフレーズと市民記者の呼称変更のアイデア募集中ですが、同じように課題と提言を市民記者から募集してはどうでしょうか。)

●認知度の向上に向けて(編集方針の明確化と周知徹底)

 多くの記事を毎日読ませていただいて、今のオーマイニュースの読者または市民記者の中心が中高年の方が多いことを窺わせます。テーマの選択や投稿記事の内容をみると団塊の世代の市民記者が相当数活躍されているはずです。間もなく、65歳以上の人口が日本人の25%に達するといわれている現在、その中心である団塊の世代は、ネット社会に対する違和感は無く、自己表現したいとの願望を持っていますから、黙っていてもその世代の市民記者は今後増えると思います。どんどん増えてほしいものです。しかしながら、若者や女性の参加をどう増やすかが大きな課題です。これらの方々から支持されるメディア新聞とはいかなるものでしょうか。新聞が、TVが、週刊誌がフォロー仕切れない世の中の出来事(事実)をリアルタイムで情報発信(速報)することをオーマイニュースに期待しているはずです。現在の様に時の話題を広く薄く集めることもいいと思いますが、残念なことに受け入れられていません。時にはテーマ性を持って全市民記者が課題に全力で取り組みその記事を総力をあげて伝えることも必要ではないかと思います。世界的に問題になっている「地球温暖化」や「エコロジー」から始まって、身近に起きる非日常的な出来事の中から一定期間、テーマ設定をして記事にし、広く世に伝えることが必要だと思います。韓国であった様に問題を提起して「大きなうねり」を社会に与えるといったことです。今のオーマイニュースは、あまりに百貨店的であり特徴が見出せません。ここでは右だ左だという思想的なことを言っているのではありません。百貨店から専門店への脱皮を考えるべき時がきています。ここでクローズアップされるのが、編集部の編集方針です。「現場に即した記事であること」も一つの方針ですが、テーマ性や方向性といったものを感じることができません。独自性のない単なるメディア新聞は淘汰される運命にあります。

●アクセス数の向上に向けて(コンテンツ及び映像部門の拡充)

 人々が興味を持つ・知りたい・見たいと思うことをタイムリー且つ正確に伝えることがオーマイニュースの原点であり目指す方向とするならば、コンテンツの工夫と映像部門の拡充が必要不可欠です。今のコンテンツは新聞からの受け売りに近いことを連想させます。別の切り口があってもおかしくありません。既成概念にとらわれない新たなコンテンツの開発を期待します。「マスコミは嘘をつくが動画は嘘をつかない」を是とすなら、文書から動画へどんどん移行するであろうことは想像に難くありません。道具も飛躍的に進歩し、携帯電話やデジタルカメラでも撮影機能や録音機能がついている時代です。動画時代に即した新たなコンテンツを考えることも必要だと思います。この意見もフォーラムで議論されました。

●魅力あるメディア媒体に向けて(ヤング版・ミセス版の創設)

 韓国の市民記者の構成員は、そのほとんどが30代・40代で、生まれ育った時代背景も手伝って自分の意見をもっとも主張したい世代だそうです。この人たちが市民記者の原動力として活躍しています。韓国と日本では人口比率が違うことが原因のひとつかもしれません。前述したように日本でもはもう少し高く、40代・50代が中心と思われます。ところが肝心の若者や女性に対しては無策で何も手を打っていません。ヤングが、ミスが、ミセスが読みたい・参加したいと思うか否かが重要な問題です。オーマイニュースヤング版(または欄)、オーマイニュースミセス版があってもおかしくはないと思います。20代・30代にも受け入れられるオーマイニュースこそ、国民的なネット新聞として認知されるのではないかと思います。

●メディアの進化に向けて(モバイル環境の整備)

 猛烈な進化を遂げるモバイル。現在の若者は固定型PCがなくとも何も不自由を感じていません。固定電話に加入せず、新聞もとらない人が沢山います。新聞離れが進んだ結果、とてつもない勢いでネット社会が拡大しています。若者層を取り込めるか否かが大きな課題です。最近では、電車内でTVを見ている人を見かけます。想像もしなかった現実が再現されています。パパラッチが世界的な注目を集めた時がありました。カメラから携帯に変わることでとんでもないメディア社会が訪れるかもしれません。モバイル環境の整備がオーマイニュースにとって急務であると思われます。出資者である、ソフトバンクはとうに準備を進めているかもしれませんが、これからのネット環境にとって見逃す事の出来ないツールと考えられます。

●質の高い投稿に向けて(原稿料の改定・PV数やPT数でインセンティブを加算)

 韓国でも原稿料は3段階に分かれていて、記事として採用された場合、20000ウオン・10000ウオン・2000ウオン(約240円)を支払っているそうですが、日本でもほぼ同水準となっています。日本の市民記者で原稿料目当てに原稿を書いている人は皆無に近いでしょう。しかしながら1本の原稿を書き上げるまでに相当の時間と労力を費やします。専門性のある執筆構想を練り、調査・分析し、インタビューなどを行い投稿した結果、掲載されても最高2000円というのはいかにも小額過ぎます。交通費・消耗品費等の実費をやっと賄えるかといった程度の薄謝です。そこで、PV数やPT数に応じてインセンティブを設けることを考えてみてはどうでしょうか。韓国ではサイ銭という、記事を読み共感を得た読者からの寄付金制度があります。この制度によって高額の原稿料を手にした市民記者もおります。投稿記事の社会的なインパクトの大きさによって相応の報酬を得たとしても誰も不服はないでしょう。現在の週間・月間市民記者賞に加え、読者の反響によるインセンティブプランの導入を提案したいと思います。またお金だけではなく、年間優秀市民記者賞などといったアワードの導入も検討の価値があります。

 以上に掲げた提案以外にもアイデアはたくさんあると思います。多くの市民記者が知恵を出し合い、日本版オーマイニュースの飛躍につなげたいものです。2007世界市民記者フォーラムでお目にかかった方々との意見交換で感じたことをまとめてみました。【了】

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2007年6月16日 (土)

国会図書館に行こう!(英知の宝庫が永田町にあった)

 国会図書館に行ってきました。

 普段あまり縁がない国会図書館は、地下鉄有楽町線平河町駅から徒歩3分のところにあり、満18歳以上の方なら誰でも利用できます。所蔵・資料は図書8,369,233冊、雑誌176,961タイトル、新聞10,351タイトル(出典:ウキィぺデアフリー百科辞典)もの膨大な資料が保存されているそうです。洪水の様に発行される書籍や雑誌などがほぼ網羅されており、書籍や雑誌の宝庫的な存在です。

 日比谷図書館を利用することが多いのですが、平日の昼休みを利用して訪れました。正門を入って、すぐ左側が本館、まっすぐ進むと新館で、ビジター用受付です。

入館から閲覧までの流れは以下の通りです。

1)未登録者の利用登録手続き(館内利用カード発行)

 登録用端末機(銀行のキャッシュカードと同じ様なもの)で登録作業を行ないます。氏名・生年月日・住所・電話番号を入力すると、当日のみ利用できる館内利用カードが発行されます。さてゲートインかと思いきや手荷物(カバン類すべて)持込禁止で、専用のロッカールームに全てを預けます。ノートや筆記用具・手帳などは透明のビニール袋に入れてからカードを利用してゲートを通過します。

2)検索作業

 国会図書館は、閉架式です。戸棚がたくさんあり、そこから好きな書物を探すようにはなっていません。他の図書館とは違い、室内を見渡しても書籍はありません。その代わりにパソコンがずらりと並んでいます。検索用パソコンを使って、読みたい書籍・雑誌などを自分で検索し、画面上から閲覧したいものをオーダーします。パソコンに不慣れな方にとっては難関です。但し係員が程よく配置されており、使い方のサポートをしてくれます。NDL-OPAC(オパック)という蔵書検索・申込システムで、閲覧したい図書や雑誌のタイトル・執筆者・発行所などを入力します。事前に検索したい書籍などの著者や発行所などの情報を持っていけば比較的短時間で検索できます。これは結構骨の折れる作業でした。

3)書籍受取

 書籍コーナーは広々とした本館2階で、カウンターの前にあるデジタルの図書資料到着表示板(病院などにある薬に順番待ちボードと同じです)に自分の登録番号が出るまで待ちます。20~30分かかる場合もあるそうですが、今回は7~8分の待ち時間ですみました。自分の番号を確認したら、カウンターに行きカードを提示します。書庫から順番に流れてきた書籍の中から、オーダーした本を受け渡してくれます。

 カウンターの上部壁面には「真理がわれらを自由にする」と書かれていたのが印象的でした。

4)閲覧

 本館第一閲覧室を利用することにしました。定員200名程度収容できるでしょうか。平日ということもあって、定員の4割程度の入りでした。椅子・机とも他の図書館にはない高級感があり、机一客に対し8名分の椅子が用意されています。室内は静粛で、エアコンが効き快適な読書空間でした。

5)返却

 読んだ書籍を借り受けた同じカウンターにある返却口で戻します。流れはスムーズで待たされることはありませんでした。

6)登録者カードの作成

 登録者カードを申し込めば、次回から面倒な入力を省略することができます。申し込み用紙に記入し提出すれば直ぐに作ってくれます。このとき、身分を証明できるもの(運転免許証やパスポートなど)が必要です。このカードがあれば、次回からID番号と氏名を入力するだけで済みます。

 参考までに、思いつきで次の検索を行った結果を再現します。

①入力画面で「元木昌彦」とだけ入力(オーマイニュース編集長)

②3件の書籍がヒット(名前入力だけのためか)

③「週刊誌編集長」を選択し閲覧受付を申し込み

④書籍カウンターで受領(週刊誌編集長・元木昌彦・㈱展望社)

⑤第一閲覧室で図書閲覧

⑥返却カウンターで返却

 因みに「宮本 聰」と入力したところ、別人の方でした。必要に応じコピーを依頼することもできますが、昨今の著作権の問題から、一般図書館に比べ厳しい制約が加わっています。ノートを持参する事をお勧めします。

 意外と利用されていない国会図書館、敷居が高いものと考えておられる方も多いでしょう。もっと身近な情報入手の場として利用されませんか。

 帰途、「なにが粋かよ 気がつく時はみんな手おくれ 吹きざらし」この言葉が妙に脳裏に焼きついて消えませんでした。市民記者活動の参考にしたいと思います。【了】

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2007年6月 9日 (土)

治療費踏み倒しには断固たる措置を(病院で治療費を支払わない人たち)

 病院で治療費を支払わない人たちが急増しています。(ここでいう支払わない人たちとは、支払えない人のことを言っているわけではありません。)お金を持っていながらまたは支払い能力がありながら(一時的な猶予が必要な人も含む)支払わない人たちには断固たる対抗措置をとる時期にきているのではないでしょうか。医師法によって医療機関は治療を必要としている人の診療を拒む事ができません。それをいいことに、何度でも平気で病院に行き、治療費を支払わない人の気持ちが分かりません。無論、人によって様々な事情があることでしょう。本当に支払いができない人には、支払い免除の制度もありますし分割払いすることもできます。「治療を受けたら治療費は支払う」このあたり前のことができない人には、診療拒否を含む相応のペナルティーを考えるべき時です。こう書くと必ず弱者切捨てかと反論される人がいるでしょう。弱者は守られるべきです。その方策も充実すべきと思います。このルールを掻い潜って支払いをしない人への対抗策を考えるべきだと思います。

 特に公的病院が狙われています。平成14~16年で、法人区分別1病院平均未収金額(5/28産経新聞)は以下の通りです。

公的     4425万円(施設数533)

民間・個人 1648万円(施設数222)

医療法人   781万円(施設数1728)

その他    1226万円(施設数143)

 この3年間で「踏み倒された治療費」の総額は、8080万円に上ります。また全国5570の病院が加盟する4病院団体協議会がまとめた未集金総計は、約853億円というとてつもない数字になっています。しかも、未集金が年々増加しています。

平成13年 約9億円

平成14年 約10億300万円

平成15年 約11億700万円

平成16年 約12億600万円

平成17年 約13億円

 右肩上がりに増える未収金をこのまま放置すればどういうことになるのでしょう。国民皆保険制度下の日本ですから、国・自治体・保険組合などがいつか負担する羽目に陥ります。強いては保険料の値上げにつながり、善良な国民に跳ね返ってきます。そして払わなければいつか誰かが面倒を見てくれるといった間違った考えを持つ人が増えるでしょう。先ごろ、NHK受信料・公立学校の授業料や給食費などが問題になりました。しかし医療はその性質が全く異なります。見なければいい・食べなければいいで済まされない人の生死に関することです。一般的な論調をここで展開しても始まりません。

 未集金の発生が多い公的病院は対応に躍起です。医療法人を1とすると公的病院はその約6倍にもなります。因みに民間・個人が1.5倍、その他が1.3倍になります。この差は何からきているのでしょうか。医療法人では前受け金制度の導入や厳しい回収を行っているからに他なりません。最近、夜間でも会計窓口を開けている医療機関が増えました。単なるサービスの向上とは言えない事情があります。治療費の踏み倒し防止という別の目的があるのです。

踏み倒し防止策をいくつかを考えたいと思います。

①住所・氏名の公表

②加盟団体・企業への通知

③督促した上で財産を差し押さえ

④医療サービスの一次停止

⑤一定の条件に合う場合には診療を拒否

⑥カード支払い・プリペイドの導入

⑦その他

 国も重い腰を上げ、専門部会を設置して検討に入りました。個人のモラルによる解決が図られない以上、債務回収を強化せざるを得ないという結論が導き出されてくると思われます。【了】

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医療器機界で友好的TOB加速の兆し(光学ガラス大手HOYAの狙い)

 オリンパスVSペンタックスといえばカメラと思いきや、医用内視鏡市場で壮絶な争奪戦を繰り広げようとしています。最近、友好的TOBとして騒がれた光学ガラス大手HOYAが、どうやらペンタックスを完全子会社化することで決着がついたようです。HOYAがペンタックスを子会社化しようとする狙いは、ペンタックスが保有する内視鏡の開発技術の高さが隠されていると言われています。どうやら光学ガラスと撮影技術をドッキングさせることで、医療用製品に進出する足がかりを掴もうとしている様です。

 その背景となった医用内視鏡の国内シェアをみると、オリンパス(68%)・フジノン(4%)・ペンタックス(4%)・東芝(4%)等となっています。。-厚生労働省2002年-年々市場規模は拡大の一途で、昨年度の販売規模は約430億円(矢野経済研究所調べ見込み額)、年々10億円程度伸びており、医療機器業界でも注目されている市場です。こうしたことから、オリンパスの独走を阻止すべく、ペンタックスが猛烈な巻き返しを図ろうとしています。そこで医用内視鏡を含む医療事業の成長性に目をつけたのがHOYAという訳です。

 技術の進歩は目覚しく、従来型の口から内視鏡を挿入する方法から新たなステージに入りつつあるようです。従来型は、喉から内視鏡を挿入するため患者に相当の苦痛とダメージを与えていました。検査を経験した人なら「もういやだ」と感じる程、不人気の検査方法でした。ところがつい最近、オリンパスが錠剤のように飲み込めるカプセル型の内視鏡を開発しました。長さ2.6センチ、直径わずか1.1センチ。カプセル型の本体に超小型CCD(電荷結合素子)カメラを搭載した内視鏡で、飲み込んだ患者の消化器内部の様子を外部モニターで観察するものです。また小腸の検査も可能となるということで、検査部位の拡大を視野に入れています。ただ、受診に必要なベルト式の受信機を患者が身に着ける必要など改善しなければならない課題もありますが、まもなく実用段階に入りそうです(承認申請中)。この技術の応用で、自在に動き回れる自走機構や特定患部への薬液放出機構などが開発されれば、単に診断するだけではなく、治療技術の大幅な進歩に繋がることが期待されます。

 追随するフジノンは、経鼻式(鼻の穴を通して体内に挿入。直径6ミリと従来型に比べ60%の太さで、鼻腔への簡単な麻酔でよく、患者への負担が軽減される)を販売、売り上げは昨年の3倍にもなっているそうです。また内視鏡の先端部に設置した2つのバルーンを交互に膨らませるでことで、カメラを交互に前進させるタイプも開発しています。

 ペンタックスといえば、2008.3予想で売上全体1700億円のうち、医療機器部門であるライフケアが450億円と第3の柱となりつつあります(ペンタックスHP・RI情報)医療機器のラインナップの中で内視鏡分野が中核をなしています。消化器系・気管支系・鼻咽頭スコープなどを販売、一層の飛躍を目指しています。

 広い意味で内視鏡技術を応用した新製品開発の可能性がますます期待されます。こうしてみるとHOYAの狙いが鮮明になってくるではありませんか。医用内視鏡に限らず、友好的なTOBは医療業界で今後も増え続けると思います。また医療機器にとどまらず、製薬業界の再編が加速度的に進むものと考えられています。連日、友好的TOBのニュースが報じられる中、どこかのコンビにではありませんが、「ついこの前まであった店が一夜のうち消え去る」ことが医療業界全体で起きる可能性があります。これらが企業論理だけではなく、患者のためであってほしいものです。【了】

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2007年6月 3日 (日)

基地の町横須賀の風に吹かれて(YOKOSUKA国際交流フェスタ)

 6月3日(日)、米海軍と海上自衛隊の両横須賀基地が一般開放されました。横須賀市制施行100周年を記念した、YOKOSUKA国際交流フェスタの一環として開放されたもので、音楽イベントや艦船見学などが行われました。横須賀港内に隣接する日米の同時開放とあって、市民や艦船ファンで大盛況でした。

 最初に訪れた米海軍へは、三笠公園の一角にある三笠ゲートからとなりました。基地は広大で、循環バスで一周すると約40分もかかるそうです。空母が接岸した埠頭が主会場となっており、カントリー音楽のコンサートやダンス、ハーレーダビットソンの展示もありました。アメリカン屋台では、本場のハンバーガーやチリビーンズなどを味あおうと長蛇の列ができていました。横須賀に配備されている7隻のイージス駆逐艦のうち最新鋭の「ラッセン」が一般公開されたこともあって、艦内を一目見ようと大勢の市民が訪れ、船首デッキは人で溢れかえっていました。

 次に訪れた海上自衛隊横須賀地方総監部では、駆逐艦「あたご」をはじめとして、8隻の護衛艦や潜水艦などの一般公開が行われました。入場門近くの芝生では、エレキバンド「フルーティーズ」のバンド生演奏が爽やかな青空に響き渡っていました。

 停泊する艦船見学やカントリー音楽の鑑賞に浸る親子連れや恋人達の行き交う姿から、平和日本そのものを横須賀で見た思いがします。しかしながら、映画やテレビの画面からそっくり飛び出した様な光景を前にして思いは複雑でした。横須賀の空は晴れやかでも、遠く離れた場所で紛争が続いている国々があるという、現実とのギャップを感じぜざるを得ませんでした。日本がいつまでも平和であることを願いたいものです。【了】

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2007年6月 2日 (土)

紹介予定派遣の裏側に潜む採用担当者の思惑(試用期間を紹介予定派遣に置き換える動き)

 紹介予定派遣が秘かに浸透中です。紹介予定派遣は、企業が社員への採用を前提に派遣という雇用形態で、最長6ヶ月間就労後、双方が合意すればその企業の社員として就職できるシステムです。転職時の職務とのミスマッチを防ぐ仕組みとして、営業・企画・ラウンダー・営業事務・経理・財務・会計等の職種や中間管理職の採用にあたって利用が増えています。平成16年度の厚生労働省の調査報告では、1万人が派遣先に就職したとの報告があります。更に最近では、新卒・第二新卒採用の新システムとして注目をあびています。

 先ごろ、ある医療法人の採用担当者とお会いした時のことです。経理幹部を採用したいが、有料紹介と紹介予定派遣を検討しているとのお話がでました。

担当者:紹介予定派遣は直接的な雇用関係は発生しませんよね。

記者:ええ、その通りです。最長6ヶ月間派遣元から派遣社員として就労させることができます。

担当者:それなら、その人物をじっくり見極める事ができて好都合だね。正社員で採用して、後で「しまった!」なんてことにならず安心だ。

記者:紹介予定派遣は、そうしたミスマッチを防ぐ事を目的に考え出された制度です。

担当者:それなら、試用期間を紹介予定派遣で雇って、いやなら採用しなくていいんだ!。後腐れもなくていいね。是非検討しようかな。

こんな会話でした。

紹介予定派遣を試用期間代わりに利用する?こんな企業が増えています。

ここで、紹介予定派遣の企業側のメリットを考えて見ます。

①紹介派遣元が人物のスクリーニングをしてくれるので、採用担当の手間が省け、希望する人材を入手しやすい

②紹介予定派遣期間の上限は6ヶ月間もあり、人物の見極めが十分できる

③気に入った人物なら、6ヶ月を待たなくとも直接雇用ができる

④気に入らなければ断れる

 紹介予定派遣は、一見すばらしい制度に見受けられますが、隠れた落とし穴があります。通常、企業が社員を採用する場合、試用期間を設け問題なければ3ヶ月後または6ヶ月後に正社員として辞令を交付します。ところが不幸にして何らかの問題が発生した時、試用期間中に解雇するには相当な労力を要します。人事関係のお仕事をされた方ならお分かりだと思います。不当解雇から労働争議へと発展したケースは今までも沢山あります。

④の「気に入らなければ断れる」ここが問題です。

 もちろん然るべき正当な理由が求められます。しかしながら、何とでも屁理屈は付けられます。ましてや正社員ではありません。派遣を終了するだけのことです。

これを裏付ける前出の厚生労働省データがあります。

●紹介予定派遣の状況

紹介予定派遣に係る労働者派遣契約の派遣先からの申し込み人数 57,799

紹介予定派遣により労働者派遣された労働者数 19,426

紹介予定派遣において職業紹介を実施した労働者数 15,016

紹介予定派遣で職業紹介を経て直接雇用に結びついた労働者数 10,646

※注意:一般労働者派遣事業のみ

 紹介予定派遣を通じて、実際雇用されたのは約50%であるということが事実を物語っています。しかも雇用形態はアルバイト社員・契約社員が含まれており必ずしも正社員雇用ではないことも問題です。紹介予定派遣の本来の目的が失われつつあるのではないでしょうか。紹介予定派遣のこれからの動きに注目したいと思います。【了】

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