小さな告発に横浜市が動いた (威風堂々の違法袖看板)
日頃目にする屋外広告、楽しませる広告もあれば目を背けたくなる広告まで千差万別です。屋外広告を掲出するには条例によって規制が設けられており、都道府県によって若干の差異があっても大体同水準です。普段あまり気にしない屋外広告ですが、繁華街や商店街を歩くと、その雑多な広告に辟易している方も多いと思います。すぐに思い浮かべる、コンビニやレストランの立看板などが規制どおりになっているのか疑問に感じることがあります。
屋外広告の種類には、はり紙、はり札、アーチ、テント、屋上看板、壁面看板、袖看板等があり、それぞれの居住地域に定められた細かい規定により、違反すると罰則規定が設けられています。
過日、屋外広告の規制が遵守されているかどうかを検証するため、新横浜駅界隈を歩いてみました。
最近の新横浜駅界隈は、再開発が進みすっかりビジネス街と化し、夜の巷にはたくさんのサラリーマンや酔客が闊歩しています。また、日産スタジアムでサッカーの試合がある時やアリーナでイベントが開催される時には一度に何万人という人々が訪れます。このため、狭い区域に飲食店・レストラン・喫茶店などがひしめき合っています。当然客寄せの看板やネオンがこれでもかと言わんばかりに掲出されています。新宿や渋谷と同じくらいに違法看板が多いのではとたかをくくって町をあるいてみましたが、一部の立看板を別にして意外と整然としているのには驚きました。
そんなはずはないと更に歩を進めると、公衆電話ボックス内にはお決まりの違法ステッカーが、申し訳なさそうに貼ってありました。続いて、とある居酒屋の店頭(路上)にでーんと鎮座する立看板を発見しました。居酒屋の店頭といっても店先の向かい側(車道側)には明らかに規制から外れる大きさの電飾看板があり、動かした形跡がありません。看板にはローラーがついているものの設置型と見間違える程です。かの有名な「ラーメン博物館」駐車場入り口には、歩行者を阻むかの様な駐車場入り口の案内板に遭遇しました。恐らくある時間帯だけ置いているものと思われます。探索を続けると、ホテルの壁面から突き出た1メートル以上もあろうかというポール3本にマーク入りステッカーがたなびいていました。またある理髪店の店頭には街路樹にくくり付けられた看板、更には歩道を塞ぐ程両側を占拠した立看板などもありました。常設でなく規制に適う大きさ・高さであれば容認されていますから、きっと毎日出し入れをしているのでしょう。数からいえば数件で、ここは少し譲ることにしました。
歩く目線でばかり捉えていたので、今度はビルの壁面に目を移しました。その瞬間「えっ」と目を疑いたくなる馬鹿でかい袖看板が飛び込んできました。遊技場の袖看板(建物の側面に取り付けられた看板)で、ゆうに幅3メートル、高さ10メートルはあろうかという巨大な袖看板です。
横浜市の条例では、建築物から突出するもの(袖看板)を次の様に定めています。
1基当たり表示面積は50平方メートル以内、道路上に突出する場合は路端から1メートル以内とし、高さは歩道の場合、路面から2.5メートル以上、車道の場合、路面から4・5メートル以上とする。また、建築物の上方からはみ出さないことと決められています。
歩道の幅を計ってみました。正方形の敷石(縦横40センチ)が7枚敷き詰められており、弛緩帯を入れ約3メートルでした。居住専用市域を問わず、突出許容幅は官民境界線から1メートル以内でなければなりませんから、明らかな違法袖看板です。歩道の上を覆うようにそびえ立つ違法看板は、相当離れた場所からでも目視することができます。広告主の目論み通りといったところです。
この事実を、管轄する横浜市環境創造局環境管理課管理・屋外広告物担当に連絡し、見解を伺いました。状況・場所等を説明したところ、局の担当者が現場を確認することになりました。数日後、連絡が入り横浜市条例違反が確認されたとの回答でした。何故今まで放置していたのかという横浜市側にも問題がありますが、この「小さな告発」を受け、広告主に改善を促すことになりました。改善状況と顛末に関しては、後日記者に報告をいただけることになりました。横浜市の対応を見守りたいと思います。普段見慣れた風景や出来事の中に意外な問題が潜んでいることを思い知らされました。この一件は、シチズンレポーターが「あれ?」と思ったことや「うん?」と感じたことの事実をレポートし、その問題を捉え、対策を促すことで、世の中を少しでも動かすことができるという証と言えるのではないでしょうか。
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