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2007年9月23日 (日)

今こそ雇用者側の意識改革を!(能力ある中高年採用のチャンス)

 求人広告には、年齢35歳までといった年齢制限をうたったものが少なくありません。中高年にとっては鬼門となっている年齢制限ですが、募集や採用時の年齢制限を禁じた改正雇用対策法が10月1日付で施行されます。いままで努力義務にとどまっていた年齢制限を法律により義務付けるものです。

 この背景は、求人票にある年齢制限で応募もできない多くの中高年求職者に更なる就労の機会を広げよとするものです。大いに歓迎したいと思います。仕事柄接する中高年が、応募の機会すら与えられない現実を目の辺りにしてきました。55歳のある方は、「もう仕事をするなといわれているのに等しい。年齢による差別だ!」と語気を強めていました。実態は想像以上にひどく、これ以外にも恨み節を良くお聞きします。

 雇用者側が何故中高年を採用したがらないのでしょうか。社会や経済環境に加え、企業のおかれている経営環境、就業規則、従業員構成、賃金体系、仕事の内容など様々な事情があると考えられます。また、あえて荒波を立てたくないといった組織上の保守的な側面もあります。これは企業経営者のお考えによるところだと思います。

しかし、この機会に検討いただきたいことがあります。

「本当に中高年は使えませんか!?」

企業の採用担当者から中高年を採用しない理由をお聞きすると概ね以下の通りです。
● 高齢者は柔軟性・協調性・適応能力に欠ける
● 高齢者は意欲・気力に欠ける
● 高齢者は使いにくい
● 中高年は定着率が低い
● 上司が年下である
● 年輩者には補助的な仕事が頼みにくい

 上記の理由で、一律に門戸を閉ざしてしまうには余りに逸材採用のチャンスを失っていると言わざるを得ません。「中高年はダメ」という既成概念が雇用者側にありませんか?

ここで実際にあった中高年の転職事例を2~3例を挙げてみます。

1)Aさん(55歳)

元商社勤務。長らく国際営業部門で活躍。優れた国際営業のスキルと語学力を有し、早期退職勧奨制度を利用して退職。まだまだ現役続行を希望。

国際営業職は25歳から35歳までの求人がほとんどで、年齢不問の同種求人に応募しても書類選考で不可が続きました。求人票の経験・スキルは十分クリアしているにもかかわらず面接にたどり着けない日々が続きました。企業にその理由を尋ねると、ある企業ではオーバースペックだと言われ、別の企業では中高年は融通が利かないからといわれました。こんな状態が約半年続きましたが、この方は幸いにも食品機械メーカー海外営業の部長職として就職されました。

2)Bさん(48歳)

元電気量販店に勤務。人事畑一筋に勤めてこられました。とても温厚な方で誰からも慕われる性格で専門知識を持つ人です。会社の経営悪化に伴い退職。出来る仕事ならなんでもやるといった方で転職を希望。

人事関連の仕事は稀有で、しかも中高年の募集は皆無といっていい状態です。当初は経験業種を希望しておられましたが、あまりの就労機会の少なさに方向変換し、スキルを生かすことにしました。温厚な人柄と仕事柄パソコンを使用していたことから、ある音響・映像関連のエンジニアリング会社でテクニカルサポートとして、大学の教育施設で勤務しています。

3)Cさん(57歳)

元造船会社の設計技術者。高いスキルと経験は未だ十分現役で使えると自負。お子様が小さいこともあり、正社員雇用に拘って活動。

正社員を希望して就職活動をするも、応募しても応募しても書類選考が通過せず。こんな状態が約7ヶ月。万策尽きたかという段になって発想を変え、大手アウトソーシングに技術力と意気込みを買われ正社員採用。皮肉なことに派遣された会社が元の造船会社となりました。

 いずれも、①経験・スキルがあり②仕事に意欲的③体力・気力十分④収入より安定した仕事を希望されていた方々ばかりです。この様に中高年であっても十分企業の即戦力として活躍が期待できる人がたくさんいます。団塊盛大の大量退職が始まりました。今年だけでも100万人を越える定年退職者が予想されています。

 少なくとも応募の機会は平等に扱っていただき、書類選考をして欲しいと思います。経験・スキルが確認出来たら、是非面接の機会を設けて欲しいと思います。書面から評価できない逸材が見つかるかもしれません。若人では補えない十分なヒューマンスキルを持った人が企業の即戦力ではありませんか?雇用者側の意識改革を切に希望します。【了】

※改正雇用対策法では、一部年齢制限が認められています。

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2007年9月17日 (月)

談合体質変わらぬ自民党

 自民党総裁選びが次の日曜日に行われるらしい。福田対麻生の戦いといっているが、茶番劇も甚だしい。額賀さんも威勢よく声をあげたものの、いつの間にか降板させられてしまった。本当に自民党には、たった二人しか総裁候補がいないのか。300名以上の議員がいて、候補者が二人しかいない無能力集団が自民党なのか。誰から見ても派閥力学が働いたとしか考えられない。どうやら密室政治をそのまま継続させるようだ。国民はしっかりと彼らを監視していく必要がある。【了】

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2007年9月15日 (土)

敬老パスの応益負担は是か否か(横浜市が敬老優待乗車証制度の見直しへ)

 多くの自治体で高齢者自立支援の一環として、公共機関の無料パスまたは優待制度を取り入れています。そろそろ気になる記者が住む横浜市も例外ではありません。ところが、この制度が財政の逼迫によって見直されようとしています。この先、優待が受けれなくなるかもしれないと思うと余計気になります。敬老の日にあたって、敬老パスのあり方を再検討する横浜市の動きを追ってみました。

 横浜市敬老特別乗車証(以後「敬老パス」)は、1974年に70歳以上を対象に高齢者の社会参加を支援し、高齢者の福祉の増進を図る目的で始まりました。ところが2007年度の交付者数が約31万人、市費負担額が82.9億円となり、このままいけば現行の市予算では賄いきれません。このため「横浜市敬老特別乗車証のあり方検討会」を立ちげ、制度の見直しに着手しました。制度の位置づけ、対象者年齢、対象交通機関、事業費及び費用負担に関する等の再検討を行っています。

●現行制度の課題(第2回あり方検討会資料より抜粋)

【右肩上がりの事業費】 
団塊世代の高齢化も含めた制度対象者の増加により、今後の事業費は現状を大幅に上回るものとなり、制度の持続可能性が緊急な懸案事項。

【利用実績把握の困難性】 
個人又は路線ごとの実績把握は容易でなく、また事業効果を定量的に評価することも難しいために、費用対効果を数値検証し難い事業。

【立場の異なる三者の負担割合】 
利用者、事業者、行政の三者負担で成り立っている制度であり、各々の立場を互いに尊重しつつ、適正な負担割合を模索する必要。

【その他】
予算上の利用回数や単価は、従来から行政が予算積算上設定しているものであり、利用実績に基づくものではない。
利用者負担が利用頻度や交通機関・路線網など利用度合に応じておらず、所得区分ごとに一律設定であることなどに利用者の不満が見られる。

 市民の一部の人からは、この見直しに反対する意見があります。また議員の中には「けしからん」と抗議行動を起こしている人もいますが、どうやら感情論は置いて現実を直視する必要がありそうです。それは、今後対象となる世代の大幅な増加が見込まれ、何らかの手立てをとる必要に迫られているからです。横浜市の場合、平成19年度の市負担額がおよそ83億円、5年後の平成24年には、105億円と予測されています。いずれ他の自治体でも同様の問題に直面することになるものと思われます。

 見直し案では、いくつかの課題が検討されています。年齢制限、所得制限、利用額の制限、対象交通機関、負担の割合、負担方式といった内容です。いずれも、いかに当該予算を抑制するかを主眼としており、議論をよぶところです。特に負担の割合と負担方式がクローズアップされそうです。

●注目される見直し案

1)負担割合の見直し

 横浜市の場合、所得状況に応じた負担を採用しており、無料・2500円・5000円・15000円と負担の金額が異なります。バス乗車1回当たりの平均的な三者負担割合(イメージ)では、行政負担119円、市民負担16円、事業者負担44円 合計179円(179円は、均一区間210円にバスカード割引率(5000 / 5850)を乗じて算出したもの)になっています。市民アンケートの結果では、現行が概ね支持されています。しかし、この見直しを行おうとしています。

2)負担方式の変更

 「応能負担」から「応益負担」へシフトしようとしています。
応能負担は、所得の高い人ほど多くの自己負担額(経費負担)を払う(賄う)という考え方です。結果として、所得の高い人から低い人に所得が移転する、いわゆる「所得の再分配」機能があると言われています。類似なものとして、健康保険が応能的な考え方で保険料の設定がされています。
応益負担とは、給付(サービス提供)を受ける又は受ける可能性が高い人ほど多くの自己負担額(経費負担)を払う(賄う)という考え方です。
負担能力(所得)には関係なく、受けた(受ける)サービスに応じて負担するということになります。例としては、介護保険の利用者負担やバスのワンコイン方式の乗車証制度が該当します。

 それでなくとも、他県に比べ横浜市民の重税感は相当なもので、一般市民から更に市民税を値上げすることが難しい今日、市は総予算の見直しや分配率の妥当性などを再検証した上で、「負担割合」と「負担方式」を見直し、受益者に相応の負担を強いることになりそうです。近い将来、消費税の値上げがダブルパンチになります。

高齢者にとって、ますます住み難くなる横浜市。敬老の日に形ばかりの敬いよりも、日々健やかに過ごしていただく環境作りこそ、本来の「敬老」ではないでしょうか。【了】

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2007年9月 9日 (日)

治験トラブル早期解決に期待(製薬会社VS治験受託会社)

 新薬競争は激化の一途を辿っています。
製薬会社の死活問題である新薬の開発は時間との大きな戦いです。
一日でも一秒でも早く、競合他社より新薬の承認申請を得るために競争は激しさを増すばかりです。この競争に勝ったものだけが生き残れる戦国時代で、新薬を供給し続けることができなければ、市場から退場を余儀なくされる運命にあります。患者としても、科学の粋を結集した新薬の登場を待ち望んでいます。がんをはじめとして、循環器病や抗アレルギーなどの領域でことさらその需要が多いと考えられます。

 ところで、新薬開発のプロセスがすっかり様変わりしているのをご存知でしょうか。
一昔前までは、新薬の開発(候補化合物探索から臨床治験、市販後調査まで一連の作業)を自前で行なっていました。ところが、数年前から臨床治験を請け負う治験受託会社に治験を代行するのが普通になりました。俗に言うアウトソーシングということになります。アウトソーシングすることで、製薬会社は様々なベネフィットを得ることができます。

 製薬会社・治験受託会社・医療機関が三位一体となって治験は行なわれます。この中で製薬会社と治験受託会社とで「お金にまつわるバトル」が展開されています。親会社(製薬企業)から仕事を請け負う会社(治験受託会社)という構図は変わりません。治験受託会社の工賃は抑えられ、納期の短縮を求められ、その上に精度の高い治験データを要求されます。ところが治験には、他の業界と違って被験者(患者や治験ボランティアなど)が絡みます。スケジュール通りに進まないのが常です。

●ある時期に寄せられたトラブル数

日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会 222件 
CRO(治験受託会社)協会 104件

●トラブルの内容

経費の取り決めと支払いに関するもの
追加業務発生時の経費の取り決めに関するもの
スケジュールが遅延した時の経費負担に関するもの

業務分担の取り決めに関するもの
契約・委託内容に関するもの

どうやら製薬会社と治験受託会社(CRO)との間がしっくりいっていないとう構図が浮かび上がってきます。業務委託または受託契約書の内容に盛り込まれない不測の事態が起る事による金銭トラブルが頻発しているのです。

●背景

 モノを作るのとは違い、治験ではボランティアや患者という人間が介在します。
協力してくれると思っていた医師・患者・ボランティアが、都合で治験に参加できなくなったり、治験途中で参加を取りやめるといったことが往々に起こります。ある治験薬第Ⅱ相試験では、全国20の医療機関で約160人の被験者を対象に行っています。(※第Ⅱ相試験とは:少数の患者に対して第Ⅰ相試験で安全が確認された範囲の用量で治験薬を投与し、安全性や適切な用法、用量を調べるもの)治験のコーディネートを行うのが治験コーディネーター(CRC)という方々です。企業と医師と患者の3者をとりもつのがコーディネーターの役割です。契約上にない事象が日々起る中、板ばさみ状態で奮闘しています。
症例数不足の充足や作業日程変更など計画通りに進まないということは、その分経費がかさむことになります。この確執が治験データに影響を及ぼし兼ねない程の凄まじいお金のバトルが展開される背景となっています。間違っても不良品?の納入が起るなどあってはならないことです。これは由々しき問題で、大きな治験トラブルに直結しかねません。

 下請け企業が親方企業にいじめられている構図が見え隠れします。早期に契約内容の見直しを行いトラブルの防止に努め、新薬開発という本来の目的に専念して欲しいものです。製薬会社のあせりが再び薬害を生むことのないよう、心して欲しいと思います。【了】

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2007年9月 8日 (土)

大江戸ダンスに興ずる子供達(大江戸舞祭2007開催)

 台風一過の9月8日(土)、東京都庁前の都民広場と都庁通り会場で、2007大江戸舞祭が開催されました。古賀政男の東京ラプソディーをアレンジした曲に合わせて、小中学生を中心としたグループが会場一杯に大江戸ダンスを繰り広げました。大江戸舞祭は、「東京ラプソディー」「丘を越えて」に童謡などを加えた全12曲をアップテンポにアレンジ、これに合わせた振り付けで30~100人のチーム「連」で躍る東京の祭りのひとつです。

 石原都知事の肝いりで始まったともいわれる大江戸舞祭は、「心の東京革命」の実践プログラムになっています。連は小学生から高校生までの子供達が三分の二以上で構成され、年々盛んになったことから、登録の連は200以上にもなっているそうです。

 じりじりと照り付ける残暑の中、色とりどりの衣装をまとった子供達の元気良い掛け声がビルの谷間に響き渡っていました。また都庁通りには順番待ちの「連」が道路一杯に練習を繰り返していました。特設ステージでは吹奏楽部による演奏会も開かれ、たくさんの人で賑わいました。東京もこのお祭りが終わると間もなく秋の気配に包まれます。【了】

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2007年9月 1日 (土)

未承認薬の人道的使用制度導入は慎重に(コンパッショネートユースは必要か)

 厚生労働省は先ごろ、重病で代替治療がない患者への特例措置として、国内で承認されていない薬の使用を認める制度を新設する方針を決めました。欧米で承認済みなのに、日本では未承認のため使えない状態を「ドラッグ・ラグ」と言いますが、それらの薬を使用できるようにしょうとするものです。現在は個人または代行輸入に頼るしか方法はありません。大手新聞メディアは相対的に好意的な立場をとっています。未承認薬を国内で処方できれば、承認薬で万策尽きた方々や日々特異な病魔と闘っている方々にとっては朗報であり、人道的見地から検討に値するとしています。

 コンパッショネート・ユース(人道的使用)制度といい、未承認薬の限定的な使用を制度化している欧米の例を参考に、対象とする薬の範囲や費用負担のあり方を詰めるとしています。厚労省によれば、新制度の対象を以下に該当する薬としています。

1)国内で治験中か治験済み

2)欧米で治験中か治験済み

3)欧米で承認済み

一見素晴らしい制度と写りますが、根本的な部分で間違っているのではないでしょうか。

 欧米での承認薬を認める前に、何故もっと国内での承認作業を早くすることができないのでしょうか。欧米で認可されている薬が日本で承認に要する時間の長さは尋常ではなく、ものによっては3-4年かかる場合もあります。慎重に審議を進め、効能効果及び副作用になどに十分な議論を重ねるためといわれています。これらの問題を解決する切り札としてICHガイドライン(日米EU医薬品ハーモナイゼーション国際会議)を定め、日・米・EU3極間で、新医薬品の製造(輸入)承認に際して要求される資料を調和(共有化)することが決められました。一部の治験データを共有化することで、承認のスピードと効率を上げる狙いです。これは大きな前進でした。ところが、今回その会議を飛び越えて、外国の承認薬をそのまま使用しようするのが今回の制度です。

 厚労省は、自身の努力を棚上げしておいて急転直下、欧米承認薬をそのまま使おうという不遜さはどこからくるのでしょうか。今まで頑なに拒否してきた厚労省の態度が豹変したとしか考えられません。ここではあえて心情論は封印します。制度化すれば、日本で承認されていない薬を厚労省が認めるということになり、薬事行政上重大な方針転換となります。

 この背景には、国内の承認薬では万策つき、諸外国で認可されている薬を使いたいと考えている人(患者と医師)がいるからです。入手は困難で、非常に高価であるため一部の人しかその恩恵に浴せない状態です。このため治療をあきらめホスピスに入る人もいるくらいです。新薬の早期承認は万人にとって大きな願いです。苦しんでおられる方々の肉体的・精神的苦痛には深く同情をいたします。一日も早く新薬が承認され治療薬として用いられることを切望するものです。だからといって、一足飛びに国内で未承認の薬を使えるようにしようというのは論理の飛躍です。

 国内製薬メーカーでも必死に新薬開発に取り組んでいます。少しでも新薬の承認申請を早く、効率的に治験を進めるため、臨床治験受託会社がその部分を請け負い所用の効果を上げています。しかしながら相当の年月がかかり、なかなか臨床の要望に追いつけないのも事実です。メーカーと同じように社会のスピードに呼応した厚労省でなければなりません。

 大手新聞メディアの論調は概ね賛成です。「人道的使用」という響きが、そうしてもいいのではないかと思わせています。原点に立ち返って考えてみれば、厚労省の新薬承認のシステムに問題があるのです。国が認めない薬を便宜的な制度を作って使用できるようにするなど姑息な手段ではなく、薬価審議会の姿勢をあらため、新薬の承認期間を短くする努力をすべきではないでしょうか。仮に一定の規制を設けたとしても、結局は未承認薬の使用を認めると言うことであり、薬事審議会のあり方に疑問を持ちます。これはおかしな制度です。

 国内での治験制度の見直しと薬事審議会のあり方を再検討して、新薬認可をもっと早くするのが先決です。コンパッショネート・ユースが制度化された暁には、承認薬・治験薬・未承認薬が堂々とまかりと通るという、何でもありの状態に陥いる危険があります。

 人道的使用という言葉が、本来科学的・論理的・客観的な「新薬承認の見地」からは大きく逸脱するものです。厚労省の再考を期待したいものです。【了】

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地デジ用チューナーは無償配布を!(情報弱者難民をださないために)

 2011年アナログ放送終了と同時に現在のテレビをそのまま見続けることができなくなります。従来のテレビは使えなくなるため、視聴者は新たな地デジ対応のテレビを買う必要があります。ところが総務省の調査では、アナログ放送停止予定を知っているのが93.9%、実施時期である2011年を知っているのは60.4%であり、未だ相当数の人がこの事実を認識していないという結果がでています。この中心が高齢者で、情報弱者難民となる恐れがあります。政府は告知活動に本腰を入れて欲しいものです。

 テレビを見るか見ないか、受像機を買い換えるか否かは、個人の自由です。ただ、現在利用している媒体を一方的に奪うのですから、それに対応する措置が望まれます。地震や天災など非常時に威力を発揮するであろうテレビを現在見ている人に何らかの対策を施す必要があります。現在普及しているテレビは1億台を超え、うち地デジ対応型テレビは1000万台強といわれています。これから本格的な買い替えが進むものと思われます。しかし、買い替えが進んだとしても、全体の30%程度がこの流れに乗れないものと推測されており、中でも低所得者層や年金で暮らす高齢者が取り残されるのではと危惧されています。

 アメリカでは日本より先行して、2009年2月にアナログ放送停止を迎えます。このため、米商務省は「今の旧式テレビにデジタルTV変換コンバーターを購入の家庭には、1世帯当たり最大80ドルまで無料クーポン(1枚40ドル)を差し上げます」という、助成金事業の実施要領を発表しました。総額1500億円、これはひとえに情報弱者を出さない措置といえます。国が進める施策によって、アナログ放送からデジタル放送へ変換するわけで、国が面倒を見るという姿勢を貫いています。これは日本も大いに見習うべきことです。

 アナログからデジタルに変換する際必要とされるチューナーは、現在数万円もします。これはその需要が少ないため製品価格が高止まりしており、量産することで一台、5000円程度になるものと試算されています。

 NHK放送文化研究所の年代別視聴時間統計(2005)によれば、20代では男性が一日平均2時間15分、女性が2時間55分であるのに比べ、50歳代では男性が3時間52分、女性が4時間22分と若い世代より50歳以上の人がテレビの視聴時間が長いことがわかります。高齢化が進み、独居老人の楽しみは何といってもテレビです。買い替えにも困る人が相当おいでのことと思います。これらの方々からテレビという情報媒体を奪うことになってはなりません。また、貧困家庭でも同じです。

 希望する家庭または人には、せめて一台ずつチューナーを無償配布するという施策をとって欲しいものです。もちろん一定の無償配布基準なりをきちんと決める必要があります。国も検討しているようですが、是非実現されることを期待します。【了】

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