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2007年11月29日 (木)

混合診療は是か非か(対立する厚労省と規制改革会議)

 厚労省と規制改革会議が「混合診療」の是非を巡って真っ向から対立しています。

 政府の規制改革会議(座長・草刈隆郎日本郵船会長)は27日、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」答申案について厚労省と公開討論を行ないました。解禁を主張する規制改革会議側と現状維持を図ろうとする厚労省とで激論が交わされましたが、議論は平行線をたどり物別れに終わりました。

 混合診療とは、健康保険が適用される保険診療と保険がきかない自由診療を併用することです。自由診療を受けると、本来保険診療でカバーされる部分を含め健康保険の適用になりません。

 厚労省は、先進医療や将来保険対象となる見込みの未承認医薬品・特別室などを利用した際の差額ベッド代・予約診療など一部の医療を除き混合診療を認めていません。「自由診療が一般化し、患者負担が不当に拡大する」「科学的根拠のない特殊な医療を助長する」などとして反対しています。
一方、規制改革会議は「現行制度では富裕層のみが海外で普及している最先端医療を受けることができ不公平」だと主張しています。

日本医師会も反対の趣旨は違いますが、混合診療反対の立場をとっています。

 最近、混合診療への保険適用を認める東京地裁判決がありました。混合診療における保険給付を求める訴訟の判決の中で「健康保険法などを検討しても、保険外の治療が併用されると保険診療について給付を受けられなくなるという根拠は見出せない」とし、国による現状の法解釈と運用は誤りであるとの判断を示しました。ただ、同判決は「法解釈の問題と混合診療全体のあり方の問題とは次元の異なる問題」とも述べ、混合診療自体の是非について言及していません。しかしながら、会議側はこの地裁判決を背に全面解禁を求めています。

今後どうなるのでしょうか?

 政府判断に持ち越された格好です。
医療格差は現にあると考えている人の方が圧倒的に多いのではないかと思います。所得による医療格差が生じるのではなく「生じている」と言うべきでしょう。
一部の富裕層が最先端の医療を自費で享受できるとしてもそれは自然の成り行きです。保険診療部分も含め自由診療としての対価を払っても価値があると判断する人が払えばいいのです。
不治の病に侵され成すすべがなくなった時、自費で自由診療を受けられる人がどれ程いるでしょうか。未承認薬で効き目が期待できる薬があるとしても、法外な薬代が必要となればお金のない人は躊躇します。お金さえあれば何とかしてあげられたのにと、臍をかんだ経験をお持ちの方もきっといると思います。自由診療が受けられるとしても、治療費が払えなければ絵に描いた餅です。混合診療にすれば解決できる問題ではありません。

 国民皆保険の目的からすれば、薬を含む効果のある治療法を可及的速やかに保険適用としていくのが最も理に適った方法で、そのための新薬承認に関する是正措置もとられようとしています。もちろん開発を急ぐ余りに手抜きがあってはなりません。未承認薬は慎重に審議されるべきです。

 「薬に限って言えば、混合診療を解禁することよりも治療上有用と考えられる新薬の承認過程を一層早め、保険適用の医薬品として使えるようにすること」が筋ではないかと考えます。【了】

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2007年11月24日 (土)

医療費の保証金を徴収へ(治療費未収金対策)

 厚生労働省は治療費不払い対策として、入院前に保証金を徴収することを認める方針を明らかにしました。つい最近まで「法は、保険者が患者から徴収することを可能にしているのであって、未払い分を肩代わりする義務を課していない」として否定的な見解を示してきた厚労省ですが、07年6月に未収金問題に関する検討会をスタートさせ、対策を協議した結果を踏まえ、入院前の保証金徴収を認める方針を明らかにしたものです。

 先に問題となった、大阪堺市の新金岡豊川総合病院の入院患者(63)公園に置き去り事件の背景に治療費の不払いがあったと言われています。また子供の治療費を踏み倒すといった悪質な治療費不払いが多発しています。本当に治療費の支払いもままならない、生活困窮者には別の方策もあり、病院によっては分割払いを受け入れているところもあります。一番問題なのは負担能力がありながら、支払わないという人です。治療を拒否できない医療現場では、不払いを繰り返す人たちに手を焼いている実態があります。

 これらを裏付ける様に都道府県や県庁所在地など自治体が経営する全国290の病院で、患者が支払わない治療費(未収金)が2002年度から3年間で85億円を超え、1病院平均で約2940万円にもなる(読売新聞調べ)など日本全国の医療施設で大きな問題になっています。

 業を煮やした厚生労働省は、ついに入院前(治療開始前)に保証金を徴収することを認める方針になったわけです。国民皆保険制度の趣旨を逸脱するものとして反対する意見もありますが、今回の方針は止むを得ないものと思います。

 病院に行った人全てに保証金の支払いを求めるものではなく、実際に保証金を徴収するか否かは、各病院の経営判断に任されています。保証金の徴収にあたっては、金額や返還方法などを話し合い、患者の同意を義務付けています。

 しかしながら、深刻な未収金対策を迫られている公的病院の多くが保証金の徴収に動き出すものと考えられ、中でも私立病院においては一層の拍車がかかるものと予想されます。【了】

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2007年11月11日 (日)

それでもオーマイニュースに投稿する理由(初代編集委員として)

 オーマイニュースから市民記者編集委員の大役を仰せつかって3ヶ月目、間もなく任期が終了します。与えられた役目は、①紙面記事・サービス面についての批評記事を書くこと②週間賞の選考プロセスへの参加③年間市民記者賞の選考の3点でした。この中で、週間賞の選考は結構骨が折れる作業でした。毎週送られてくる選考リストの記事を全て読み、中から3篇をノミネートするのですが、全記事を読破するだけでも結構時間を要します。気に入った記事にコメントを付すにも工夫と労力が要ります。ただ、他の記者の記事を批評するという作業を通じて批評の難しさと楽しさ経験する事ができました。「私の考える市民記者の記事」という基準に照らして記事を批評するのであり、自ずと万人受けするものにはなり得ません。普段何気なく読んでいる記事を常時選択している編集部スタッフの仕事や大変なものではないかと思います。編集部に肩を持つつもりはありませんが、「オーマイニュース登録市民記者」という仲間が集い、記事を通して議論できる場を円滑に推し進める役割を担っているのが編集部と考えれば、編集スタッフの労苦に感謝する気持ちも忘れたくないものです。

 この間、記者や委員から提起されたご意見には傾聴に値するものが多くありました。そのご意見から、皆さんが等しくオーマイニュースに寄せる愛情と期待の大きさがひしひしと伝わってきました。一見単なる批判や横暴と思われる意見でも、その根底に流れているのは「オーマイニュースを何とかしたい」という切なる思いに溢れています。編集部とのやり取りにしてもボタンの掛け違いではなく、コミュニケーション不足が引き起こしているだけのような気がします。顔を見たこともなければ話をしたこともない!インターネット特有のものです。だからこそ、様々な議論が沸騰するのだと思います。面白いと感じています。また自分とは全く異なる意見にぶつかると、驚きと同時に教えられることが多々あります。

 オーマイニュースは、市民記者参加型のネット新聞であり、登録した不特定多数の記者が思い思いに情報を出し合って自分の意見を主張し、読者はその色々な意見を読み比べることで自分なりの真実を見出そうとするものです。では、どんな記事が市民記者らしい記事なのでしょうか?先日、編集委員に向けた編集部からの「市民記者ならではの記事」って、一言で言えばどんな記事のことを指していますか?という問いかけに記者は次の様に回答しました。

「組織や金銭にとらわれず、自分の知識・経験をリファレンスとして、身近な社会の出来事(怒り・悲しみ・喜び等の事実)を正確に伝え、自己の意見を述べた記事」

みなさんはどう思われますか?

 各人がそれぞれ意見を記事にすることから、ものの見方、捉え方が色々な切り口になって当然です。記事として掲載された後、異なる意見をストレートに議論することで「非日常性の出来事(真実)」を更に掘り下げることが出来ます。今までの媒体にはなかった、画期的なことをオーマイニュースが進めていることに意義を見出しています。

なぜ記事を書くのか自問自答してみました。

①あれ?うん?どうして?と思うことが日々あるから

②みんなに伝えたい、分かって欲しいと思うから

③他の人の意見を聞いてみたいから

④課題や問題を人と共有したいから

⑤共感や賛同を受ければ素直に嬉しいから

あえて難しく考えず、思ったままの気持ちです。記者としての素質が疑われるかもしれませんね!でも、だから楽しいのです。

 他人の記事を批評(コメント)する上で、最低限守るべきルールがあると思います。投稿した記事で記者の意とはあらぬ方向で進んだ経験があります。記者でてこい!とか記事を書く資格がない!とか感情のままをぶつける記者が稀にいます。感情もひとつの意見かもしれませんが、ネットという顔や声のない世界では、「何気ない一言(言葉)」が投稿した記者の心を傷つける恐れがあります。市民記者同士お互いに尊敬と節度を持って記事に接したいものです。

 登録市民記者が4000名を超えた今、これからも団塊世代の一市民記者として記事を書こうと思います。最も身近な話題である、年金問題・高齢者医療問題・雇用問題・独居老人問題など、常日頃「考えさせられること・こうなって欲しいこと・どうしてと思うこと・楽しいなと思うこと」等を書き続けるつもりです。

 創刊以来、オーマイニュースのコンテンツやプラットフォームの変遷に触れながら皆さんの記事を拝見してきました。これまで、ジャンルを限定(医療・教育・雇用等)して書いてきましたが、これからは更に拡大していくつもりです。そろそろ助走期間を終えようと思います。「発言する団塊世代の市民記者」を実践しようと思いを新たにしているところです。

初代の市民記者編集員の一人として、投稿の場をいただけたことを深謝します。【了】

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2007年11月 3日 (土)

ジェネリック医薬品処方お願いカード登場

 テレビコマーシャルで盛んに「ジェネリック医薬品をお願いしょう」と言っています。診察が終わって、医師から処方される薬の用法・用量を聞いてうなずいて帰ってくる人がほとんどでしょう。新薬からジェネリック医薬品に変えてもらうには、医師の処方が必要です。

新薬に代わるジェネリック医薬品がある場合でも、医師の多くは新薬を使いたがります。これにはいくつかの理由があります。

①慣れ親しんできた薬を使いたがる

②成分名ではなく製品名しか知らない

③新薬の方が薬価が高く、診療報酬が高く差益が大きい

④ジェネリック医薬品の種類・在庫が少ない

⑥効能効果に不安

およそこの5つくらいの理由です。

基本的に医師はジェネリック医薬品を使いたがらないと心すべきです。よほどジェネリック医薬品に理解のある医師でない限り、処方してくれないと考えるべきでしょう。

先日、近所のクリニックにかかった時のことです。

記者「先生、ジェネリックを処方していただけませんか」

医師「うーん、この薬(新薬)の方が切れがいいし、副作用も少ないから」

記者「そんなに違うんですか?」

医師「しばらくは、これにしておきましょう」

ついに押し切られてしまいました。処方薬は、糖尿病の薬でジェネリック医薬品があることを知っていた記者にとって、「薬の切れ(言っている意味は、吸収・代謝のこと)がいいから」と言われてしまうと返す言葉がありませんでした。かように代替調剤が普及していない現実があります。記者のように自分から言うまたは言える人はそう多くはないでしょう。

そこで「ジェネリック医薬品処方お願いカード」が登場しました。日本保険薬局協会が作製したものです。いまや、薬は患者が選択する時代になりつつあります。

「先生、こんなカードをいただいているんですが・・」言葉で言いにくい人にとっては、きっと強い見方になってくれます。

カードについては、調剤薬局などの薬剤師さんに相談することをお勧めします。【了】

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ポッキリそば・ポッキリうどんの正体

 JR根岸線桜木町駅は、横浜みなとみらい地区の玄関口として、観光客やビジネスマンなどでいつも賑わっています。一日平均乗降客数が26万9千人(平成15年財団法人神奈川中小企業センター調査)もの人々が出入りする、横浜でも屈指のターミナル駅です。所用があって桜木町駅に降り立ちました。

 約束の時間を考えると余り時間がありません。「ファーストフードにしようかな」と思いながら、桜木町駅の改札口を出ると斜め向かいに駅そば「川村屋」が目に入りました。
駅そばは、和食のファーストフードとしてサラリーマンの間で人気です。暖簾をくぐって中に入ると先客が4~5人順番待ちをしていました。前の客が「ポッキリそば」と言いました。「うん?ポッキリそば?」、次の客は「ポッキリうどん」を頼んでいます。
ポッキリそばにポッキリうどん、始めて聞くメニューに一瞬たじろぎました。
順番がきて、「何にしますか?」と店員さん。

記者「ポッキリそばって何ですか」思わず聞いてみました。
店員「天そばといなりのセットです」
天そばといなりのセットが何でポッキリなのか?
店員「セットで500円です」
わかりました。「500円ポッキリのセットだからポッキリそば」ということが・・
記者「それ下さい」

さっそく一口、するとこれが美味しいんです!
濃い口醤油ベースのカツオだしの風味が良く効いたスープは、そんじょそこらの駅そばにはない味です。壁に貼ってあるポスターに「当店では化学調味料を一切使っていません。天然カツオをふんだんに使った正真正銘のカツオダシです」
そばの食感と白ゴマの入った小さめのいなり寿司のコラボレーション。
これで500円ポッキリ、大満足の和製ファーストフードでした。
皆さんも機会があったらご賞味あれ。味は保証します。【了】

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