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2008年2月23日 (土)

通勤手当は労務の対償か!年金月額標準報酬基準算定に疑問

 団塊世代にとって年金支給は最大関心事です。比例報酬分を受け取る条件が整い、所轄の社会保険庁に問い合わせたところ、首をかしげたくなる事実に遭遇しました。【標準報酬月額には通勤手当も含まれる】との説明があり、通勤手当の多寡によっては支給されない場合があるというのです。

 厚生年金では、被保険者が事業主から受ける報酬(給与)の月額で標準報酬月額を定め、この標準報酬月額をもとに保険料の額や年金支給額を決めています。報酬の範囲は、金銭・現物を問わず、被保険者が事業主から労働の対償として受けるすべてのものとなっています。この中に会社から支給される「通勤手当」も報酬に算入されるというのです。通勤手当は報酬でしょうか?

電話口でのやりとりです。

本人「どうして通勤手当が報酬となるのですか?必要経費ではないのですか」

担当者「これは国が決めたことです」

本人「それはそうでしょうが、どうして月額に算入されるのか教えていただけませんか」

担当者「そこまでは分かりません」

本人「この疑問をどこに問い合わせればいいのですか?社会保険庁では答えられないのですか?」

担当者「わかりません。標準報酬月額について書いたものがありますのでコピーして送ります。読んで下さい」

 後日、コピーが送られてきました。残念ながら、その内容は算定方法や範囲が書かれたもので、記者の質問に答えるものではありませんでした。社会保険庁の担当者でも答えられないことのようです。

分かりやすくするために以下の条件を想定して説明します。

基本給20万円 諸手当3万円 通勤費2万円 総収入25万円で年金算定額10万円ならば

25万円+10万円-28万円=7万円 7万円X0.5=3.5万円

10万円-3.5万円=6.5万円が支給されることになります。

ところが、基本給と諸手当が同じ条件で、通勤手当10万円の人は総収入が32万円となりますので

32万円+10万円-28万円=14万円 14万円X0.5=7万円

10万円-7万円=3万円の支給となります。

この様に通勤手当が2万円の人と10万円の人とでは大きな差がでます。通勤手当の金額によっては、支給されるものも支給されないといった事態が想定されます。

遠くから延々電車に揺られて通勤する人に年金は厳しいのです。同じ労働条件で働きながら通勤手当の違いによって年金支給額が倍も違うことになります。

やはり疑問が湧きます。通勤手当は本当に労働の対償でしょうか。

 必要経費と捉えるべきではないでしょうか。何故なら他の手当てに比べ、通勤手当は個人の裁量の範疇にはありません。その会社で仕事をするために然るべき交通手段を使わざるを得ない性格のものです。またそこに居住していることを承知で企業は採用しています。自分の懐にも入ってきません。一方、制服・作業衣、見舞品、生産施設の一部である住居などは対象外とされています。制服や見舞金は「労働の対償」ではなく、通勤手当はその対象というのもおかしな話です。

 確かに通勤手当は、労働法上は、必ずしも支給しなければならない、というものではありません。このため報酬とみなしているものと考えられます。しかし、報酬とするには、首をかしげたくなるのは私ひとりでしょうか。

通勤手当の問題は年金に限ったことではありません。社会情勢の変化した今、制度の見直しをすべき時期ではないでしょうか。【了】

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2008年2月 9日 (土)

禁煙希望者に好機到来 

 日本人の喫煙率は29.5%と先進国の中でも喫煙天国と言われています。因みにカナダ20.0%、米国21.6%、フランス25.4%、英国26.0%(世界保健機関調査)と先進国では年々喫煙者が減少していると聞いています。 日本でも国や地方自治体あげての取り組みで、少しつつその成果をあげつつあるようですが、未だ高止まり傾向が続いています。これからも官民挙げての禁煙対策が実施されることでしょう。

そこで、肩身の狭い喫煙者の皆さんに朗報です!禁煙を目指す絶好の機会到来です!

1)3月から自動販売機でタバコを購入する際、成人識別カードが必要になります。

 未成年者の喫煙防止対策の一環として、3月より「taspo(タスポ)」対応の「成人識別たばこ自動販売機」が導入され、成人のみに発行されるICカード、「taspo(タスポ)」がなければ購入することができなくなります。お子さんに「ちょっとタバコ買ってきて」はかなわないことになります。この際、面倒なカードの申し込みは止めましょう。

2)4月から保険による治療が受けられるようになります。

 健康保険医療報酬が改定で、この4月から公的な医療機関で禁煙指導が行われるようになり、一定の条件を満たせば健康保険適用となります。禁煙治療の費用は、初診料、再診料などの他に、「ニコチン依存症管理料」を支払い、患者が3割負担の場合なら三千円程ですみます。これまで自由診療で行われてきたため、医療機関によって指導料が異なり、数万円もの指導料を請求されることも珍しくありませんでした。4月からは、公的保健の下で禁煙に取り組むことができるようになります。

3)4月以降、禁煙補助薬が次々と導入される予定です。

 今まで禁煙補助薬として、禁煙ガム「ニコレット」や肌に貼るパッチタイプの医薬品「ニコチネル」などが販売・処方されてきました。この4月、米ファイザーから経口型の医薬品「チャンピックス」が発売される予定です。また、大正製薬と英グラクソスミスクラインから、OTC薬でパッチタイプの禁煙補助薬が承認申請中されています。更には、ノバルティスも大衆薬を開発中です。おいしい市場を前に補助薬の開発ラッシュが続いています。

「不自由なタバコの購入」、「公的医療保健の適用」、「新しい禁煙補助薬の発売」と禁煙のための条件がこの春にそろいます。

新学期を契機に禁煙に取り組みませんか?

いままで、何度もタバコを止めようとした方、過去に禁煙したことのある方そしてこれから禁煙に取り組もうと考えている方は、これを契機に「禁煙」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。禁煙の暁には、きっと身も心もクリーンな生活が待っています。【了】

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2008年2月 3日 (日)

がん治療は自ら選択する時代へ

 がんで亡くなる人は推定で年間32万人余りと言われています。(全死因に対し30.1%:人口動態調査 2005年)日本人の3人にひとりががんで死亡しています。不幸にして、ご両親や祖父母といった方々をがんで亡くされた経験をお持ちの方も多いと思います。私達が一番身近に向き合う「人間の死」なのかもしれません。

 多発するがんを部位別で見ると男性では、胃・大腸・肺・肝臓・前立腺で、女性では、大腸・乳房・胃・子宮・肺となっています。(がん助成金研究班、1999年)今日もどこかの病院でがんで亡くなっているでしょう。

 がんの治療開始にあたって、がんの種類ごとに有効な治療法が異なるというがん特有の状況を十分認識しておく必要があります。どの治療法を選択するかでその後の人生が一変します。ファーストチョイスを誤ると後々大変な後悔をすることになります。

がんの治療法は、大きく4つに分けられます。

 外科療法(手術)、薬物療法(抗がん剤)、放射線療法、免疫細胞療法が良く知られています。まず手術で切り取り、薬で叩くというのが一般的な考えでしょう。また、がんの種類や原発性か進行がんか等により放射線療法や免疫細胞療法を考えるというのが定番になっているのではないでしょうか。まず放射線治療ありきという医者は未だ少ないと思います。

本人はもとより家族ががんに罹った時、医者からがん治療の方法を説明(インフォームドコンセント)され、「がんの進行を早期に食い止めるには手術が一番です」と言われたら、これに逆らう患者や家族はまずいないでしょう。また難しい専門用語と共に治療法を説明されて、真にその内容を理解できる人は少ないのではないでしょうか。

医者の言う「悪いところは早くとりましょう」は、一見合理的に思え素直に同意する人が多いと思います。誰しも「転移しないうちに」とか「悪いところをとって早く楽にさせてあげたい」と思うのが心情です。このため日本では、外科療法を第一選択とするのが主流になっています。

多くの場合、手術は原発部位ばかりか、リンパ節を含め周辺部を大幅に摘出します。本来、人間の体で不必要な臓器はひとつもありません。全てが補完作用を伴って機能しています。しかしながら、見えない敵に立ち向かうためには念のため幅広に切除する傾向は否めません。乳がんで行われてきたハルステッド手術が典型的な例です。

がん治療に立ち向かう時、多くの人は何を思うのでしょう。

どうしていいか分からないという場面に陥った時、なすすべは無いのでしょうか。

以下の事柄を熟慮することが大切ではないでしょうか。

1)どの治療法を選択するかは自分で決断する。

 その手術によって亡くなる人もいます。また、術後思いがけない後遺症に悩まされるといったことも考えられます。QOLを著しく欠いた状態で、歩くこともできずベットに釘付けになっている患者さんも多く、それは想像を絶するものがあります。事実、テレビや新聞・がん関連書物やインターネットのホームページからも見聞できます。

家族・親戚・お友達など知己の中に、がん治療を受けている方が一人や二人いるはずです。手術を受けたその方々は、本当に快適な術後の生活を営んでいるでしょうか。術後に併発した後遺症で悩んでいる方もいるはずです。また抗がん剤の副作用のため、毎日ベッドでのた打ち回っている方もいるでしょう。どの治療方法を選択しても何らかのリアクションを覚悟しなくてはいけません。治療に何を期待し、どうあって欲しいかをじっくり考え、自ら決断することが大切です。

2)セカンドオピニオンに相談する。

 がんの専門医の多くは領域の上で専門分野を持っています。また得意な治療法を持っているものです。外科的療法が得意な医師は、特異なケースを除いて必ず患者に手術を勧めます。化学療法中心の医者は、まず抗がん剤でがん細胞を叩いて様子をみようとします。放射線医は、メスの変わりに放射線でがんに取り組もうとします。最近クローズアップされてきた免疫細胞が専門の医師は、「手術などお止めなさい」と言うでしょう。もちろん中には、いずれかの併用を考える医師もいます。

これは、医局や大学などの臨床経験によって、知らず知らずのうちにある治療法に特化してしまう傾向があるからです。つまり、医師毎に治療の取り組みに大きな違いがあるのががん治療の実態です。担当医師と意見が合わなければ違う病院を探すことも検討すべきです。セカンドオピニオンの話をした途端、豹変する医師は要注意と知るべきです。事実、「それなら他の病院にいってくれ」と受け入れを断る医師がいると聞きます。

3)治療方針に同意できなければ治療を拒否する。

 記者自身でも、身近にがんを患った方がいます。食道がんで、その方は手術を拒否して放射線治療を選択しました。食道がんの手術は多くの場合、悲惨な術後が待っています。これは過去の多くの症例が物語っています。

治療方針に従えない場合は、はっきりと医師に言うべきです。心ある医師なら患者さんの意思を尊重して他の方法を一緒に考えてくれるはずです。同意したならば、医師の指示に従って誠心誠意、治療に専念すべきであることは言うまでもありません。

4)中途半端な妥協をしない。

「どうしてその方法が最適であると考えるのか」

「術後に予想される後遺症はどんなことか」

「他の選択肢はないのか」

「先生が患者であったら同じ選択をするのか」

最低限これくらいの質問をしてみるべきです。

以外に多いのが中途半端な妥協です。医師の説得に負け、あやふやな気持ちのまま治療開始する人が多いと聞きます。一旦治療が開始されてしまえば後は医師の言いなりになってしまいます。

5)がん治療を理解する。

 がん=死をイメージしがちながんでは、「何とかしたい、してあげなくては」という思いが先行して、医師の思いのまま進められがちです。助かるためには、インフォームドコンセントを受けるにあたって、医学書や耳学問等で一般的な知識を吸収し、理解を深めておく必要があります。医師にすがるだけではなく、話が聞ける状態にしておくことは患者側の礼儀です。また治療を選択する際や治療を受ける場合においても知識は必要です。がんと宣告され助かりたいと思うなら、治療法はもとより副作用や後遺症に関する基礎知識を習得すべきです。

 残念ながら、現代の医学を持ってしても、ごく一部のがんを除いて完治(治癒)することは極めて難しい病気です。5年生存率を基準にして、延命効果があるないを議論しているといって過言ではないでしょう。だからこそ、限られた生活を少しでも人間らしく生きるにはどうしたら良いのか「治療法の選択」を自らが真剣に考え悩み決定すべきなのです。未だ確立していないがん治療。後でしまったと思わないためにもとことん医師と話し合うことをお勧めします。話し合った結果、自身が選択した治療法であれば何が起きても納得できるでしょう。

 がんの治療法は、医師ではなく患者自身が選択する時代です。【了】

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