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2009年8月30日 (日)

「終末医療における患者の権利は守られているか」日弁連でシンポジウム

2009_01150005 高齢者や判断能力が低下した人に対する、患者本人の意思を尊重した医療が行われているのだろうか。特に終末医療における患者の権利は守られているのだろうか。

8月29日(土)、日弁連主催の「必要な医療が欲しい!看取り介護と終末医療」と題するシンポジウムが開かれた。会場となった弁護士会館(東京霞ヶ関)には、テーマに関心の深い約200人が集まった。

たとえ終末期になっても人間としての尊厳を維持し、必要な医療は受けたいという権利保障の観点から、看取り介護と終末医療の現状と課題について話し合われた。

2009_08300005 最初に基調報告に立った田尻和子氏(弁護士 熊本県弁護士会)は、自らの体験を交え、【実際の介護現場における「看取り」といわれているものは、無駄な治療をせず自然の経過で死を迎えさせることであり、「延命治療の中止・差し控え」と同義であると言える。にもかかわらず「自然の看取り」という平穏で安らかな言葉のイメージから、適切な医学的判断もされず治療もしないことが自然の看取りという言葉にすりかえられ、終末期における安易な看取りがなされているのではないか】という問題提起がなされた。

的確な医学的判断や代理判断の手続的公平性や透明性が実現できてこそ、終末期における見取り介護により本当の意味の「納得できる死」が迎えられると結んだ。

2009_08300006 箕岡真子氏(東京大学大学院客員研究員)は、シンポジウムの中で「同意無能力者の医療同意の問題」をとりあげ、事前指示書の有用性を説いた。事前指示(アドバンスディレクイブ)とは「意思能力が正常な人が、将来、判断能力を失った場合に備えて、治療に関する指示を、事前に与えておくこと」であり、その必要性を説いた。

事前指示は本人・家族・医療者を結ぶコミュニケーションツールであり、作成するプロセスそのものが3者の関係を密接なものとし、大きな効果が期待できる。

①患者にとっては、自己決定の権利の尊重

②家族にとっては、心理的苦悩・感情的苦悩の軽減

③医療従事者にとっては、法的責任の回避

2009_08300008 小野幸代氏(緩和ケア認定看護師)から、訪問看護ステーション「くるめ」での実例紹介があった。同ステーションでは、事前指示書を「私の四つのお願い」と称し、導入によって相互の信頼関係やコミュニケーションが従来にも増して深まったとの話があった。また、精神的負担の軽減がはかられたことを強調された。

「私の四つのお願い」とは

①私の代わりに医療やケアに関する判断・決定をして欲しい人

②私が望む医療措置、望まない医療措置

③私の残された人生を快適に過ごし、充実したものにするために望むこと

④私の愛する人に伝えたいこと

実施に当たっては、単に事前指示書の用紙を渡すだけでなく、一緒に考えサポートすることが重要であると締めくくった。

高齢者になれば誰もが関心のある、終末期医療のあり方を考える有意なシンポジウムであった。【了】

備考:PJニュース掲載記事

http://news.livedoor.com/article/detail/4324355/

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2009年8月23日 (日)

ハマこい踊りで猛暑を吹き飛ばせ!第31回ヨコハマカーニバル

2009_08230071 8月22日(土)、朝から風もなくどんよりとした気候でうだるような暑さの中、横浜の夏の風物詩、第31回ヨコハマカーニバル「ハマこい踊り」が開催されました。

2009_08230060ハマこい踊りは一組20名以上で編成され、原色の衣装に身を包み、手には鳴りものを持ち、曲の一部に「赤い靴」をアレンジした曲に合わせ踊りまくります。夏のこの時期、額から流れる落ちる汗を飛び散らせながらの炎舞です。

2009_08230070 沢渡中央公園特設ステージ(横浜市神奈川区)を中心に、横浜駅東口や山下公園など5会場で、踊りで暑さを吹き飛ばせといわんばかりに元気なハマこい踊りが披露されました。出演した団体は日頃の練習をいかんなく発揮、そのみごとな調和と躍動に見物客から惜しみない拍手が送られました。

2009_08230097_2 ハマこい踊り西口SPECIALでは、横浜駅西口ロータリー(タクシーレーン)を一時通行止めにして、「ハマこい!」と連呼しながら路上でのパフォーマンスを繰り広げました。駅前から全てのタクシーが移動した後にシートが張られた、にわか作りの見物席は数百人の客で埋め尽くされ、何も知らない乗降客は駅前の時ならぬ喧騒に驚き、思わず見入っていました。

2009_08230087今年で31回目を迎えたハマこい踊りですが、年々参加団体も増え、総勢3,200名以上もの若者が参加しました。複数会場を徒歩で移動するため、街中は華やかな衣装をまとった踊り子達で溢れていました。

観客の中のアメリカから来たというご夫婦にお話を伺うと「日本の伝統的なよさと華やかさが感じられてとても素敵です」とハマこい団扇(うちわ)を扇ぎながらおっしゃっていました。

国際都市ヨコハマに相応しい伝統的行事になって欲しいものです。【了】

備考:PJニュース掲載記事

http://news.livedoor.com/article/detail/4310855/

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2009年8月22日 (土)

開国博Y+150は何だったのか!間もなく閉幕

2009_08230035  横浜、150年目の大博覧会と銘打った横浜開港150周年記念事業「開国博Y+150」が間もなく幕を閉じようとしている。

9月までの会期中に有料入場者数の目標は500万人だったが、7月末の時点で約64万人と目標の13%にも満たない。8月・9月に期待しても恐らく100万人程度だろう。この事業は明らかに失敗と言わざるを得ない。有料入場者数だけをもって開国博の成功・不成功を論ずるべきではないという意見もあろうが、観光客があっての話で論を待たない。

市民や観光客が目を向けなかった要因は何だったのか。以下の3つに尽きるだろう。

【入場料が高い】

 ベイサイド普通入場券 大人 2,400円、ヒルサイド普通入場券 大人 600円である。ベイサイドエリアには開国博以外にも見所、遊びところはたくさんあり、そのほとんどが有料である。氷川丸、マリンタワー、美術館、遊園地など家族連れにとっては相当の出費だ。その上にベイサイド会場に入るだけで2,400円とは余りに高い。

大人2人、小学生2人なら6,400円にもなる。会場で一日中親子で遊べるなら別だが、入ったものの会場からそそくさと出てくる人がほとんどだ。価値と価格とのバランスを欠いた法外な入場料が人々から敬遠された理由のひとつだろう。

【目玉となるイベントがない】

 各種のイベントが開催されている。ベイサイドで行われている巨大スペクタルアート「 ラ・マシン」搭乗体験(8月31日まで、制限あり)は、当初はものめずらしさもあって人気があったが、もう既に過去の遺物になっている。イベントの中身が薄く、人々をひきつけるものがなければ入場料を払って見る人はいない。

また市民参加型のプロジェクトが多く組まれているが、市民からすると魅力あるプロジェクトではなかった。一部の人たちが自己満足しているのではないか。横浜市のイベント情報に掲載されている開国博関連のイベントに参加する人がほとんどいないというのが頷ける。事前予約しなければ参加できないというのも観光客にそっぽを向かれた原因だ。

目玉となるイベントがお粗末では開国博が盛り上がるはずもない。企画段階での大失敗であると言えまいか。

【会場が分散されアクセスしにくい】

 ベイサイドエリア・ヒルサイドエリア・マザーポートエリアの3箇所で開催中だが、ベイサイドエリアとヒルサイドエリアとは隣接していない。もっともアクセスの良いルートである、桜木町駅からヒルサイド最寄り駅の中山駅まで横浜線で約20分、バスに乗り換え、およそ15分もかかる。限られた道路しかないため、渋滞で30分以上かかることもある。このアクセスの悪さが観光客にとって負担となり、足を遠のかせたものと考えられる。当局者の「よこはま動物園ズーラシアに隣接した会場だから客が来るだろう」という見込みは見事に外れた。

 当局の努力は可とするものの、あまりにお粗末ではないか。およそひと月後に閉幕を迎える開国博Y+150の失敗から学ぶことがたくさんありそうだ。これから様々なイベントを企画している自治体もあるだろう。他山の石として、この経験を生かして欲しいと思う。【了】

(写真:横浜高島屋正面に設置された電光板、閉幕まで38日と表示されている。2009年8月22日撮影)

備考:PJニュース掲載記事

http://news.livedoor.com/article/detail/4310791/

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2009年8月15日 (土)

商売繁盛を祈願し開帝誕・横浜中華街

2009_08150013 8月14日(金)、横浜中華街の関帝廟(横浜市中区山下町)と中華街一帯で中国の武将・関羽の誕生を祝う祭り「感帝誕」が行われました。

西暦160年頃に実在した中国の名武将「関羽様」を神格化したものといわれ、信義を重んじた人柄から商売繁盛の神様として親しまれています。

2009_08150020 昨今の不景気は横浜中華街にも影響があり、お店の人の話では例年に比べ売上げは2割から3割減となっているそうです。その不景気を跳ね除けようと昨年にも増して爆竹が各所で鳴らされました。

2009_08150011 夕方5時過ぎ、関帝廟で神事を終えた総勢200名の神輿巡行パレードが街中に繰り出しました。関帝廟通り~福建路~正門通り~中華街大通り~南門シルクロードを神輿、獅子舞、龍舞、楽隊、爆竹隊が道路いっぱいにパフォーマンスを繰り広げました。

圧巻は全長2メートルにおよぶ4体の巨大からくり人形「将軍組」でした。【かんぺい】【しゅうそう】【じゅんぷうじ】【せんりがん】が街中を闊歩する姿に訪れた子ども達から声援がとんでいました。中には黒い仮面の巨人を見て、泣き出す男の子も見られました。

2009_08150017 爆竹隊は通りの至るところで白煙と爆音をとどろかせました。近くで聞く爆竹は相当なもので、耳をつんざく音とはこういう音のことをいうのでしょうか。音と熱気で包まれた関帝誕、全国各地から訪れた観光客で通りは埋め尽くされました。

商売繁盛がかなうことを願いたいものです。【了】

備考:PJニュース掲載記事

http://www.pjnews.net/news/535/20090815_2

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2009年8月 9日 (日)

駐停車禁止場所に観光バが集結!横浜駅西口前

2008_12270007  毎朝、横浜駅西口の天理ビル周辺は観光バスが長蛇の列をなしている。

各社のツアー客の待合場所が天理ビル界隈に集中しているからだ。歩道上にバスの後部をかけたまま停まっているバスもある。この時期、客を乗せるまで車内冷房をかけるため、バス特有の熱風が歩行者を襲う。(写真:毎朝、繰り返される大型バスの列 撮影 8月7日)

2008_12270005 ほとんどが年配者で思い思いにバスがくるのを待っている。歩道上に溢れるツアー客に文句を言うつもりはないが、傍若無人な振る舞いは通行人にとって、はた迷惑である。雨の日などは、傘の列で歩きにくいことこのうえない。(写真:天理ビル前の歩道に溢れるツアー客)

2008_12270010 横浜駅西口周辺に観光バスの待合場所はない。駅前一帯は路線バスや大型バス指定ゾーンを除いて終日駐停車禁止である。ところが指定ゾーンが少ないため観光バスの多くは路上駐車となる。ツアー客数十人を乗せるには相当の時間がかかる。客待ちや長時間の駐停車は禁じられているのもかかわらずだ。(写真:指定ゾーン以外は終日駐停車禁止を表す交通標識)

2008_12270003_2 駐車しきれないバスが縦列駐車していることさえある。比較的早朝ということもあって警察は大目にみているのかもしれないが、違反は違反である。(写真:駐車場所を求めて観光バスが右往左往)

1)ツアー会社は速やかに天理ビル付近での集合を止める

2)バス会社は駐停車禁止区域での乗降はできないと断る

3)警察は取締りを強化する

4)横浜駅周辺に観光バス集合基地を整備する

5)ツアー会社、バス会社、ツアー客みんなが意識を変える

「みんなで停まれば怖くない」と思い込んでいるとしたら大間違いだ。それぞれ当事者の善処を望みたい。【了】

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2009年8月 2日 (日)

抗がん剤の治験って知ってる?がん患者の参加なしに新薬は生まれない!

2008_12210012  「治験」は多くの人にとって馴染みの薄い言葉かもしれない。がん患者の参加なくして新薬は生まれないことをご存知だろうか。

治験という言葉は理解していても、なんとなく胡散臭いと思われているのではないだろうか。だが、がん患者にとっては「治験」こそが未来を切り開く大きな武器であり生命線なのだ。

薬は製品化される前に治験という作業を行い、医療用医薬品としての効能効果や副作用を検証し、規格(新GCP)に適合することが確認されて始めて正式な薬として認められ、薬価収載される。この承認前の様々な準備段階を治験と言う。

年間死亡者数約100万人のうち、がんで亡くなる人が毎年32万人(2004年)もいる。外科的手術、薬物療法(化学療法)、放射線治療がよく知られているがいずれも単体で行うものではなく、3つの治療法を組み合わせて行うのが普通である。中でも化学療法を行う場合、標準治療を施しても難しい患者に対して残る手段は未承認薬でしかない。薬価収載されない限り、多くは自己負担となり家計を圧迫、苦しんでいる患者や家族がたくさんいる。

新たな薬が世に出るまで「治験」という手順を踏むことになる。

2008_12210024  8月1日(土)、癌研有明病院吉田記念講堂で癌研究会企画部による「治験公開講座~治験ってなに?聞いてみたい!抗がん剤の治験のお話~」が開催された。

【臨床治験ってなに?】

国立がんセンター 高島淳生氏は、臨床治験とは論理的・科学的に正しい方法を用いた評価をすることだとした上で、「現在の患者さんと将来の患者さんに対して最適な治療法を明らかにすることを目的とした計画的実験」であると話された。つまり治験とは、治療中の方はもちろんのこと、今後新たに罹患する人のためにも役立つものであり、医療の進歩には必要不可欠なことであると述べている。

抗がん剤の第1相臨床試験は、一般薬の試験が健常人を対象としているのとは違い、がんの患者さんを対象として行われる。抗がん剤は細胞毒性が強く、DNAなどに付加逆のダメージを残す可能性があり、健常人にはリスクが高すぎるためだ。

【治療の選択肢を広げる治験】

2008_12210027 新薬開発センターの伊藤良則氏は、治験は治療の選択肢を広げる手段だと述べている。

1)がん治療は限られた数しかない

2)現在の治療の進歩は治験の積み重ねから得られている

3)治験で効果が得られた人は多くいる

等とし、標準治療終了後の積極的な治験参加のメリットを強調した。

【患者の参加なしに新薬は生まれない】

残念ながらがんを完治する薬は未だない。生存率がどれくらい伸びたとか、がん細胞に顕著な効き目が認められるとかの範囲でしかない。しかし、治験の積み重ねがあってこそ新薬が生み出され、がんの根絶に向かうのだと考えれば、治験への積極的参加がいかに重要であるかが解る。

だが、未承認薬は必ずといっていい程、強烈な副作用を伴うことが多い。もしかすると命を落とすかもしれない。それだけのリスクを侵しても治験に取り組んでいる人もいる。自らが実験台となって未来の新薬誕生に託す気持ちが心の支えであろう。

繰り返すが、がん患者の参加者がなければ新薬誕生は期待できない。私達は多くのがん患者の協力があってこそ新薬の恩恵にあずかっていることを肝に銘じたい。【了】

(写真:講演会が行われた癌研究会付属有明病院 8月1日撮影)

備考:PJニュース掲載記事

http://news.livedoor.com/article/detail/4279822/

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全国河川・水質ワースト5位の鶴見川!信じる?信じない?

2009_08020002  国土交通省が発表した、2008年度の全国河川・水質ワースト5に神奈川県の鶴見川が選ばれました。

「嘘でしょう!」と感じるか、「それもそうだ」と感じるかは人様々でしょうが住民感情として不名誉なことに間違いありません。ただ地元の識者の間で調査方法そのものに疑問を投げかける人もいます。さらに国交省内でも河川水質管理の指標を見直す動きがあります。(http://www.mlit.go.jp/common/000046619.pdf

本当に鶴見川は汚れた川なのでしょうか?

7月31日付読売新聞の記事見出しは「全国河川・水質ワースト5、前年と同じ顔ぶれ」となっています。全国ワースト5というと、あたかもゴミの浮く川・濁りきった川というイメージを誰しもが抱きます。正確には全国166の1級河川の水質ランキングで、微生物が消費する酸素量を示すBOD(生物化学的酸素要求量)を指標に評価したものです。ことさら汚い川と思い込ませるような報道姿勢(記事見出し)には驚きです。センセーショナルな見出しより「河川の水質管理に新たな指標設定の動き」とできないものでしょうか。

2009_08020005 鶴見川は東京都および神奈川県を流れる川で、東京都町田市上小山田の泉を源流とし、神奈川県横浜市鶴見区の河口から東京湾に注ぐ。全長42.5km、流域面積235km²、支川数10の一級河川です。

終戦後しばらくは暴れん坊の鶴見川と恐れられたものです。護岸整備が不十分であった下流領域は台風が来るたびに幾度となく水害を被ったものです。知る人も少なくなりました。

流域の住民として看過できず、さっそく鶴見川に足を運んでみました。

新横浜駅前から数分のところに「ワールドカップ大橋」が架かっています。サッカーファンならよくご存知の日産スタジアム横を流れる川がそれです。快晴の日には遠くに富士山を望み、川面に青空が織り成して美しい田園風景を見ることができます。

2009_08020007 青々とした水草を分け入るように水が流れています。川辺から新横浜界隈を見渡すと自然と都市のビル群がみごとにマッチして都会の中の川という感じです。水辺で季節の野草を採る人も見られました。川の透明度も高く、上流では様々な魚達の姿を見ることができます。見た目で判断すべきではありませんが、鶴見川は、ゴミの川でもなくよどんだ川でもありませんでした。

河川の管理は人との共生でとても大切なことです。ある一定の基準を設け管理していくことは必要です。その管理基準の見直しが始まっている現在、一部の偏った報道に惑わされることなく「人」と「自然」の観点から川をみつめ直すべきだと思います。【了】

備考:PJニュース掲載記事

http://www.pjnews.net/news/535/20090802_3

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