医療の質の改善に期待!神奈川県立病院機構が4月スタート
神奈川県の県のたより 3月号で、2010年4月から県立6病院の運営は地方独立行政法人となることを伝えました。このため地方独立行政法人神奈川県立病院機構がこの4月からスタート、県民のより医療ニーズにあった効果的で効率的な病院運営を行うことになります。
独法化される背景にはどんなことがあるのでしょうか。
●独法化のねらい
県は独法化への移行で変えたいこととして次の2点を挙げています。
1)今まで以上に、患者・県民の医療ニーズに応え良質な医療サービスを提供する。
県とは別の法人となるため、地方自治法など行政特有の制約がなくなり、医師や看護師を始めとする医療スタッフの採用や高額医療機器などの購入に際して独自の契約が可能となるなどこれまでにない主体的な取り組みが可能となります。
2)より効率的な病院運営を行う。
県の中期目標やプランによって運営、評価も行うことから、病院経営の透明性が増し、業務改善がし易くなります。
●独法化のメリット
独法化された場合どうなるかを考えてみたいと思います。
1)人事・定数・組織関係
薬剤師や診療放射線技師等の採用は、地方公務員法の適用外となることにより、病院独自で採用できるようになる。
職員定数の制限がなくなり、7対1看護基準への対応等で必要な職員の増員が可能となる。
事務職員の専門化を図ることで、診療報酬制度や病院経営に精通した職員による病院経営の効率化が期待できる。
2)服務関係
学会や研究会等への参加は、地方公務員法による制限から外れることで、海外学会の参加も含む機会を拡大でき、医師へのモチベーションや医療技術向上が期待される。
3)財務会計関係
単年度予算から中長期による総合的な予算計画による職員配置、病院設備、医療機器などの整備を計画的に実現できる。
各種の契約が短期契約でしばられており、ものによっては長期契約のほうが実利ともに良いものがある。地方自治法の適用外となるため、安定したサービスの提供やスケールメリットなどが受けられる。
●今後の計画
その具体的な計画を各病院(6つ)毎に設けています。そのいくつかは下記の通りです。
例1)がんセンター
がん診療連携拠点病院として機能充実を図り、平成25年度の新病院開業に向け整備
放射線治療装置の導入と技師の増員によって、放射線治療件数を増加させる
医師の増員を図り、手術室の稼働率をあげ手術数を増加させる
看護師を増員し、7対1看護基準による手厚い看護を実施する
例2)循環器呼吸器病センター
循環器医師を増員し冠状動脈形成術(PCI)を増加させ、心臓カテーテル治療体制の充実を図る
呼吸器外科医師などを増員し胸腔鏡下手術を増加させる
例3)足柄上病院
救急医療体制を充実させ、救急患者の受け入れを増加させる
産婦人科医師の確保と医療体制の整備によって分娩件数を増加させる
上記3施設のほかの対象病院は、こども医療センター・精神医療センターきんこう病院、精神医療センターせりがや病院です。
国から地方への政治の大きな流れの中で、神奈川県立病院機構の発足は県民のみならず他県からも大きな注目を浴びています。ただ、地方公務員法や地方自治法から外れるということはその分、県民は責任と相応の負担が生ずることも覚悟しておく必要がありそうです。【了】
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