かながわ散歩みち(13)神奈川宿歴史の道
江戸時代に東海道神奈川宿があったのは、現在の横浜市神奈川区新町から台町あたりと言われています。横浜が開港すると、宿場内の寺は各国の領事館として利用され、異人さんが行きかったといいます。そんな歴史の舞台である神奈川宿を散歩します。
コースは、京浜急行「神奈川駅」をスタートし、本覚寺~神奈川台関門跡~割烹田中家~甚行寺~洲崎神社~金蔵院~JR「東神奈川駅」をめざします。
(写真:金蔵院境内に咲くハスの花。とても綺麗なので、思わず一枚。2010年7月15日)
■本覚寺
横浜開港に際して、神奈川宿にある寺院が各国の領事館として使われました。当時は神奈川湊を見渡せる絶好の場所として、その利便性と宿場町としての機能が重宝されたようです。本覚寺は、アメリカの領事館となりました。青木橋交差点の高台にそびえる寺からは、横浜駅前のビル群をまじかに見ることができます。領事館をここに構えたのは、その時代背景を考えるともっともなことでした。日本ではじめて、山門がペンキで塗られたことでも有名です。当時、領事館員達がペンキで修繕しようとしたためです。このため、境内には全国塗装業者慰霊碑が建立されています。
青木橋交差点から横浜に向かう途中のネオマイムを左折し坂を登っていくと、知る人ぞ知る、横浜の名門割烹「田中家」があります。田中家の創業は文久3年(1863年)、江戸時代に安藤広重の東海道五十三次連作中の「神奈川宿台之景」にその前身「さくらや」が描写されています。神奈川宿ゆかりの店としては唯一残る高級割烹です。当時は気軽に入れるお茶屋さんであったようですが、現在は7つの個室全てが趣の違うくつろぎの空間となっており、さりげなく行き届いたサービスが自慢だそうです。お財布にゆとりのある方は出かけてみてはいかがでしょうか。
■神奈川台関門跡
開港後、生麦事件をはじめ外国人が何人も殺傷される事件が起き、イギリス総領事オールコックを始めとする各国の領事たちは幕府に治安を申し入れました。幕府は、その対策として1859(安政6)年、横浜周辺の主要地点に関門や番所を設置しました。神奈川宿の東西にも関所を設け、その西側の関門が神奈川台関門跡となっています。ここから来た道を引き返し、青木橋に戻ります。
■甚行寺(じんぎょうじ)
京急神奈川駅前の宮前商店街からほど近くにある甚行寺は、横浜開港当時にフランス公使館として利用されました。正式には、「真宗高田派真色山清浄之院 甚行寺」といいます。当時の建物は震災や戦災によって焼失、現在はコンクリート作りになっています。入口の門脇にフランス公使館跡の石碑が立っていました。また、この近くにある浄滝寺は、イギリス領事館として使われたそうです。
■洲崎神社
案内板によると、「洲崎大神は、建久2年(1191年)、源頼朝が安房国(現、千葉県)一宮の安房神社の霊を移して祠ったことに始まると伝えられている。『江戸名所図会』の様子は、今も石鳥居や周囲の地形に偲ぶことができる。神社前から海に向って延びる参道が、第一京浜に突き当たるあたり。そこが、かつての船着場である。横浜が開港されると、この船着場は開港場と神奈川宿とを結ぶ渡船場と呼ばれる海路の警護に当る陣屋も造られた。」とあります。臨海工業地帯のない時代、この辺りが湊であったことを連想させます。当日は蒸し暑く、木陰を吹き抜ける風が肌に心地よく感じられました。神社のすぐ上に、幸ケ谷公園(権現山)があり一休みするには好都合です。春には山一面、桜の花で覆われます。
■金蔵院(こんぞういん)
神奈川宿内で最古の寺といわれ、静寂な山門をくぐると左手に本殿があります。境内にはハスの花が見ごろを迎えていました。 真言宗智山派、神鏡山東曼荼羅寺。寺伝では寛治元年(1087)堀川天皇の命を受け勝覚法印が創建した勅願寺だといわれています。徳川家康は、神奈川御殿ができる前に金蔵院に泊まり、境内の梅を一枝持ち帰ったことから、毎年1月に住職が江戸城に紅梅一枝を献上したと伝えられています。
金蔵院からは徒歩2-3分で、京急「仲木戸駅」またはJR「東神奈川駅」へ出ます。間もなく梅雨明けとなる平日、雲の流れを気にしながらの「かながわ散歩みち」でした。およそ4.5km、1時間30分の道のりでした。【つづく】
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