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2012年7月21日 (土)

管理体制の再構築を!続く放射性同位元素の紛失事故

 RI検査などに利用される放射性同位元素の役割は少しずつ減少しているとはいえ、未だ分析や検査領域では貴重な存在です。取り扱いにあたっては厳格な管理体制が望まれます。

 ところが、ここにきて立て続けに放射性同位元素の紛失事故が発生しました。微量分析や医療に使用する低レベルの放射性同位元素といえど被ばくの危険がないわけではありません。背景には、時として安易な取り扱いから紛失事故が絶えないものと思われます。

 6月に株式会社岸本医科学研究所環境分析センター(北海道函館市)で放射性同位元素(ニッケル63、370メガベクレル)所在不明事故が発生しました。密閉容器に入っているから放射線障害の恐れはないというものの、危険物質には変わりません。このケースは、特殊な状況下であり追跡発見することは困難と思われます。

 そんな中、世界的ジェネリック医薬品メーカー・テバグループ傘下となった大正薬品工業株式会社(滋賀県甲賀市)で同種(ニッケル63・370メガベクレル)の紛失事故が発生、届け出をしなかったとして放射線障害防止法違反で会社と担当者が書類送検されました。一年前に紛失に気付いたものの報告義務を無視して放置していたとは、放射性同位元素を取り扱う医薬品メーカーとしてあまりにお粗末で深く反省すべきです。同様な事故防止には、何といっても分析や検査・製造に携わる社員の意識改革が強く求められます。

 福島原発事故とは事象も次元も違うとはいえ、放射性同位元素の管理は厳しく規制されています。今回の紛失事故を教訓に、取り扱い施設や従事者の意識改革と管理体制の再構築を図る時ではないでしょうか。【了】

■参考情報

密封された放射性同位元素の所在不明について(株式会社岸本医科学研究所環境分析センター)

http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/news/trouble/1322693.htm

大正薬品工業を書類送検=放射性物質を紛失-滋賀県警

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012072000894

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2012年7月16日 (月)

一般公開講座(胃・食道がん)開催へ-がん研有明病院-

 がん研有明病院(東京都江東区)は来る9月8日(土)、一ツ橋ホール(東京都千代田区)で「胃・食道がんは早く見つけて早く治そう」と題する一般公開講座を開催します。

 胃がんの手術ってどんなもの?、知りたい!食道がんの手術など、日夜臨床現場で活躍する医師から最新の胃・食道がんの治療に関する話を聞くことができます。患者や家族以外でも早期発見早期治療の観点からお勧めの一般公開講座です。入場無料で、予約申し込みが必要です。

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●.日 時:2012年9月8日(土)

              14時00分~16時30分(13:30開場)

  1. 場 所:一ツ橋ホール(日本教育会館) ※道案内専用電話 03-3230-2833
    東京都千代田区一ツ橋2-6-2 
    都営新宿線・三田線・東京メトロ半蔵門線 神保町駅(A1出口)徒歩3分
    東京メトロ東西線 竹橋駅(北の丸公園出口)徒歩5分 ほか
  2. 内 容:添付のポスターをご覧ください。
  3. 参加費:無料
  4. 定 員:800名
  5. 申込先/問合せ先:
    (1) 電話:0120-768-333 (がん研有明すこやか塾受付事務局)
    受付時間 月~日9時~20時
    (2) FAX、E-mailでお申込みの場合は以下7点を記載の上、下記の宛先へお送りください。
    複数参加の場合は全員分の情報を記載ください。
    ①9/8がん研有明すこやか塾参加希望 ②氏名(フリガナ)③郵便番号、住所
    ④電話番号 ⑤年齢 ⑥性別 ⑦本講演会を知ったきっかけ
     FAX:0120-557-288 

     E-mail:ganken-info@iwakicc.jp

■参考情報

がん研有明病院一般公開講座のお知らせ

http://www.jfcr.or.jp/hospital/information/general/2399.html

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2012年7月14日 (土)

製薬企業の意向が大きく働いた?抗がん剤救済制度見送り

 13日、新聞各紙は「抗がん剤による副作用被害を受けた人の救済制度の創設を議論していた厚生労働省の有識者検討会が、【現時点で結論が出せる段階ではない】とする意見書をまとめ、制度創設は見送られる公算が大きくなった」ことを伝えています。

 抗がん剤は、もともと副作用が強いことを患者が承知の上で使用することを前提として、現行の副作用救済制度から除外されているものです。また、救済制度の原資は製薬企業からの拠出金で賄われています。イレッサの副作用による訴訟は周知のごとくですが、たくさんの患者が死亡するという悲しい薬害事件です。この事件を契機として「抗がん剤」の副作用による救済制度を検討すべきだとして始まった厚労省の有識者検討会には患者団体から強い関心を集めてきました。しかしながら、「時期尚早」「因果関係を特定しにくい」「基礎的データが不足」などとして、検討会が結論先送りを決めたものです。因果関係を特定しにくいとか基礎的データが不足などという説明には「抗がん剤の化学治療は分からないことだらけ、がんになったら諦めろ!」といわれているに等しい気がします。

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 一番問題なのは企業の拠出金に頼っている現行の制度で、今回の結論は従前から予想された「想定内」となりました。抗がん剤は強い副作用のあるものという立場をとる製薬会社としては当然の結論であり、抗がん剤を稼ぎ頭としている多くの製薬メーカーはホッと胸を撫で下ろしていることでしょう。

 副作用のない抗がん剤の出現には相当な時間がかかりそうです。3年から5年、いや10年以上先かもしれません。ましてや完治する時代はいつくるのでしょうか。5年生存率がどうのこうのといっている現在、夢の新薬は未だ先が見えていません。このままでは抗がん剤の副作用によって死亡事故が発生しても救済措置はなく、「あきらめる」しかないようです。少しでも状況を改善すべく、製薬会社からの拠出金方式を止め国費扱いにはできないものでしょうか。救済制度が紐つきでは抜本的な改革は望めません。行きずり殺人でも国から犯罪被害者等給付金が支給されるようになりました。金額の多寡は別にして、国が幾ばくかの補償を行う姿勢を見せることが必要だと考えます。但しこの場合、製薬会社にペナルティを課す必要が生じます。【了】

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2012年7月 8日 (日)

増え続けるヒヤリ・ハット事例-横浜市立大学病院-

 インシデントとは、重大事故に至る可能性がある事態が発生し、なおかつ実際には事故につながらなかった潜在的事例のことをさします。医療分野でヒヤリ・ハット事例がこれに相当します。医療現場で日々起こっていると思うと無関心ではいられません。

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 7月6日、学校法人横浜市立大学が「平成23年度 医療安全管理の取組について」を公表しました。それによると、23年度の「一括公表」に該当する医療事故はなかったものの、インシデントの報告数が附属病院で4、956件(月平均 413件)、附属市民総合医療センターで7、393件(同 616件)でした。この数字だけでは何となく多いという感じしか受けません。ところが添付の参考資料を見て驚きです。インシデントが年々増加しているという事実です。「職員の意識が高まった結果」「些細なものでも報告されている」という見方もあるでしょうが、本来その結果として減少に転ずるべきものであり、依然として増え続けている現状に憂いを覚えます。

●平成19年度 附属病院 3、264件

          附属市民総合医療センター 5、760件

●平成23年度 附属病院 4、956件

          附属市民総合医療センター 7、393件

 上記のように、平成23年度は対19年度比約1・5倍にもなっています。投薬・点滴・手術・麻酔などどれをとっても間違えてはならないヒヤリ・ハット事例です。その多くはヒューマンエラーに起因しています。患者としても投与された薬を漫然と服用することなく、薬剤や用法用量が間違っていないかなどをチェックし、医療者と一緒に未然防止に努める必要がありそうです。インシデントを減少させるためにはなぜそれが起こったかという要因分析が重要です。例えば、SHEL(シェル)モデル(Software・Hardware・Environment・Liveware) を用いて原因究明に努め、医療ミス・医療事故の予防に役立てることが重要です。横浜市大には更なる意識改革を促したいと思います。【了】

■参考情報

学校法人横浜市立大学 7月5日プレスリリ-ス

http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/pr/press/120705.html

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2012年7月 6日 (金)

【My Photo】時間差

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(撮影:宮本 聰 2012年7月6日 ベランダにて FinePix HS10 f/4 1/105sec. ISO-100)

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