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2013年4月25日 (木)

お粗末な学内調査委員会・京都府立医科大データ捏造改竄事件

 京都府立医科大学で起った臨床研究データ捏造・改竄事件は国民の信頼を裏切る卑劣極まりない行為です。それにも増してこの事件を調査した「学内調査委員会」のいい加減さに驚かされます。

 大学のHPでは、2月25日付「発表論文の疑義に係る調査結果について」と題して、「本学大学院医学研究科の教員が発表した論文について、ねつ造などの疑惑がある旨の投書があり、事実関係の調査等を進めてきたところですが、調査の結果、研究活動上の不正行為(故意のねつ造、改ざん、盗用)の事実はないことが明らかになりました。」と発表しています。

http://www.f.kpu-m.ac.jp/doc/news/2013/files/date.pdf

 ところが一転して、それを覆す内容の発表が4月11日に行われました。12日付読売新聞は、「京都府立医大(京都市)は11日、2月末に辞職した松原弘明・元教授(56)(循環器内科学)が関与した論文計14本で52件のデータの捏造や改ざんがあったと発表した。」と伝えています。

 先の学内調査委員会の結論は何だったのか。首を傾げたくなります。製薬会社を巻き込んだ臨床研究の不透明さとそれを何とか穏便に済まそうとする大学側の思惑が見え隠れします。たんまり貰った奨学研究費の鼻薬(1億円あまり)が効き過ぎて麻痺しているのでしょうか。また、仰々しく並んだ委員会メンバーはどう申し開きをするのでしょうか。

 京都府立医科大学は早急に再検証し、その事実と共に訂正謝罪の公表を行うべきです。4月25日現在、大学の新着ニュースには掲載されていません。【了】

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2013年4月22日 (月)

今度こそ日本版NIH創設へ

 19日、安倍首相は最先端の医療技術を開発するため米国のシステムに倣った日本版国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health JAPAN )を創設し、日本における難病研究を加速させる考えを表明しました。その席で、政府が6月にまとめる成長戦略で重点分野に位置付けている医療分野への取り組み方針を紹介し、「日本でも最先端の医療技術を開発していくためには米国NIHのような国家プロジェクトを推進する仕組みが必要だ」と語りました。

 今までばらばらで行ってきたものを、ひとつの司令塔の下に集約し、効率的で迅速な対応ができるようにしようとするものですが、各省庁の思惑もあり実現しませんでした。医療イノベーション初代室長の中村祐輔氏は執拗に日本版NIHの必要性を訴えましたが実現せず、見限ってシカゴ大学へ転出してしまいました。

 また、ここ数年、ライフサイエンス分野(医薬品・医療機器・再生医療など)が成長分野として注目され、いくつもの検討会が立ち上げられ、議論が行われてきました。総論として異論はないものの、それが具体的な施策になると急に実効性があやしくなり、結論が先送りされてきました。今度こそ省庁の垣根を越え本腰を入れて、実現を目指して欲しいと思います。【了】

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2013年4月15日 (月)

定年退職は夢のまた夢かも知れない

 最近、大手企業の「追い出し部屋」なるものが世間の注目を集めています。社員がある日突然異動を命じられ、新たな配属先では仕事もなく、時たま他部署の手伝いをさせられるという、サラリーマンにとっては屈辱的な待遇を受けるもので、いたたまれなくなって自ら退職するのを待つことから「追い出し部屋」とも言われています。

 この手の話は今に始まったことではなく、以前から呼称や形を変えてろうろうと続いてきています。ほとんどのケースではリストラ策を公にせず、水面下でローパフォーマーの自己都合退職を促進しようとするのが「追い出し部屋」です。

 企業にとって景気の良い時も悪い時も業務評価の低い人は厄介者であり辞めて欲しい人です。サラリーマンという長い時間の中で、好業績を残せる時もあれば仕事がうまくいかない時もあります。多くは「昨年は悪かったので今年は挽回しよう」とするものです。ところがその波に乗れなかった社員はずるずるとマイナススパイラルに引きずり込まれていきます。

 大企業だから安心の時代ではありません。昨今、新聞を賑わしている大手メーカーのリストラがそれを証明しています。ルネサスにしてもソニーにしても少し前まではいけいけどんどんでした。

 大企業の中には企業全体としては好調でも、一部の部門は低調ないしは危機に瀕しているといったことは珍しくありません。株価が上がっているいるからといって全社が好調であるとは限らず、企業の目論見とは正反対に下降の一途を辿る事業部門はいくらでもあるのです。そのため、組織再編、離合集散や合併は日常茶飯事です。一般的に将来その部門の撤退が決まっている場合には、合理化の下、1~2年かけ所属社員を他部門に異動(配置転換・転勤・出向など)させます。その際、行く末が決まらない社員が必ず出ます。個人的な理由(転居できないとか、新たな仕事に魅力がない等)もありますが、そのほとんどが業績評価の低い人です。評価が低い理由に、仕事ができないに加えてコミュニケーション能力に問題がある人が多い気がします。

 仕事の関係でお目にかかった一流の国立大学大学院を出たFさんは、大手電機メーカーに就職し、研究畑で仕事に励み幾多の業績を残し、次長職まで昇りつめました。手掛けた製品は国民の皆さん誰もが重宝しているものです。「会社は自分の業績を評価してくれている」「上長は自分の気持ちを良く理解している」と思いこみ、追い出し部屋の候補者になるなぞ想像だにしませんでした。ところが意に反してその対象に入れられたのです。本人曰く、「考えてみれば、自分から同僚や上司に積極的に話しかけたことがなく、寡黙に与えられた仕事をこなしてきたことが裏目にでた」と吐露していました。それを裏付けるように、上長の判断は「コミュニケーション不足・リーダーシップ不足」の判定でした。

 中堅社員として我武者羅に仕事をし、海外勤務や業績を残してきた人でも例外ではありません。過去の栄光をずっと評価してくれると思ったら大間違いです。係長・課長・次長と順調に出世しても、副部長クラスで50歳過ぎの管理職は社内では微妙な立場です。俗に言う社内失業者となりかねません。上は詰り、他部門へ横滑りできないとなれば、追い出し部屋へ直行です。

 問題は陰湿ないじめや精神的脅迫によって社員を社外に追いやろうとする一部企業です。精神的な迫害に耐えられず心を病む人がいることも事実です。それまで重宝に利用していながら手のひらを返したように追い出そうとする企業側の姿勢に怒りさえ感じます。企業は「追い出し部屋」の存在を否定します。その最大の武器が「辞めろ」とは絶対に言わないことです。辞めるしかないように追い込むのが業務委託している人材会社で、キャリアコンサルタントが代役を担います。企業は決して表に出ないしくみです。

 自己都合退職に応じるまで、「あなたに用意できる仕事はありません」そして、「新たなキャリアを考えて下さい」は正に退職強要であり、詭弁以外の何ものでもありません。新聞で報じられる内容以上に壮絶な現場がそこにあります。

 これからの時代、サラリーマンに安住の地などないと心すべきでしょう。全ては競争原理の中で、自身のポジションを得られない人はドロップアウトせざるを得ないのが現実です。常に自己防衛のため、研鑽を重ね、それを業績で示し、上層部に認められる人のみが生き残れる社会です。負け組が復活できる社会などと現政権が唱えていますが、サラリーマン社会で一度負け組の烙印を押された人が這い上がるのは容易なことではありません。企業内で自己防衛できない人は自ずと転落の道を辿ります。

 日頃から自己研鑽に務め、社外でもやっていけるスキルを保持し続けることが肝要です。企業のあまりに冷たい体質に怒りを覚え、競合他社に転職する人もいます。そういう人は専門知識に加え実績とスキル(語学力を含む)を持っており、鬼に金棒です。

 いつ何時、会社から「あなたの仕事はありません」と言われるかもしれない現代において、定年退社は夢のまた夢なのでしょうか。そんな時代の到来です。【了】

 

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2013年4月12日 (金)

自転車交通事故は他人事ではない!自身の経験から

 庶民の移動手段として利用する自転車。便利さゆえに自分本位で運転していませんか?その交通マナーの悪さは老若男女を問わず、違法駐車、酒気帯び運転、無灯火、走行中の携帯電話さらにはスピード運転と歩行者を脅かしています。特に最近では自動車並みの事故が多発していることに無関心ではいられません。

 神奈川県警交通指導課はこれまで、自転車の違反者に対し、違反項目や注意事項を記載した「警告カード」を交付してきました。カードの交付件数は2008年以降、10万件以上で推移しており、昨年は18万7260件に。県警は改善が見られないとして、今年に入って積極的に赤切符を交付する方針に転換しました。自転車に対する赤切符の交付は、記録が残る02年以降では11年の14件が最多でしたが、今年は4月10日までに78件となっています。県警交通指導課は「自転車も車両であり、いつでも加害者になりうるという意識を持ってほしい」と呼びかけています。(4/12付読売新聞)

 実はだいぶ前になりますが、不本意ながら自転車の交通事故の加害者となりました。顛末は筆者の「前方不注意及び急な右折」で、安全義務を怠ったとされました。相手の方は衝突と同時にサイクルロード自転車ごと一回転し、瞼を切ったため救急搬送されました。幸いにもヘルメットを着用していたため大事に至らず軽症でした。

 事故発生→救急車手配→現場検証→警察での調書作成→加害者との示談交渉と自動車事故と変わらず、初めての体験に事の重大さを知りました。相手が告訴しないということになり示談となりました。

 事故の対応、警察での調書作成、被害者との示談交渉とその労力及び支払った対価は大きなものでした。この時痛切に感じたのは、自転車であろうとも「いかに安全運転が必要か」と「自転車保険の必要性」でした。まさかの自転車事故は想定外の出来ごとで、準備もなにもしていませんでした。いざ事故を起こせば、自動車と全く同じ(自転車は軽車両)であることを痛切に感じました。無保険であったため全て自己負担となり、数万円の示談金(治療費含む)を支払うはめになりました。他の悲惨な事故(死亡事故や重度の後遺症)に比べれば不幸中の幸いと思っています。

 それ以後、自転車運転は慎重になったのは言うまでもありません。神奈川県警が交通マナーと安全運転遵守を強く呼びかけています。決して他人事と思わずマナーを守って安全運転に心掛けましょう。そして何にもまして任意保険の加入をお勧めします。加害者となって賠償の大きさに驚愕しないためにも・・・。【了】

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2013年4月 6日 (土)

横浜市外傷センター(仮称)は本当に必要か

 5日付読売新聞に以下の記事がありました。『救急車の「たらい回し」を避け、迅速な治療を実現するため、横浜市は交通事故などの重症患者を集中的に受け入れる「外傷センター」を整備する方針を固めた。2014年4月の開設を目指す。市によると、行政主導での設置は全国初の試みという。』一見すると、救急救命体制が充実して結構なことと感じます。

 しかし、現存する救急救命センターに加えて外傷センターを新設することにいくぶん違和感を覚えます。専門特化できるという意味があっても、機能分散化で現在の救急救命システム(外傷以外)が希薄化・脆弱化するのではないかとの危惧です。

 横浜市の救急医療体制に関する第5次提言によると、創設の意義を『全国的に外科系医師の不足は重要な課題として指摘されており、本市も例外とは言えません。この傾向は今後も進展すると予想され、交通事故や多発外傷など緊急手術の対応が必要とされる重症外傷の診療体制に大きな影響を及ぼすことになります。また、外科系医師の不足は、対応医療機関の減少につながるだけでなく、負の連鎖が働くことで診療水準の低下を招きかねません。そこで、本委員会では、将来に向けて外科系医師を適正数確保し、高度な医療提供体制を安定的に確保するため、市内の外傷診療拠点として、重症外傷症例の救急搬送を集中的に受け入れる「横浜市外傷センター(仮称)」を速やかに整備すべきと考えます。(3/27、横浜市記者発表資料)』としています。

 実は読売新聞の報道は二次的なもので、本当の狙いは外科系医師の獲得策であることです。昨今、諸般の事情から小児科医や産婦人科医を確保することが難しくなっています。外科医も同様で「いかに優秀な外科医を確保するか」で救急救命センター(特に交通事故などによる外傷患者)の質が決まります。

 他方、外傷センターが出来たからといって優秀な外科医が集まるとも思えません。基本は救急救命センターそのものの質であって、名称を変えた、あるいは新設したからといって急に診療内容が変わるわけではありません。しかも設置場所は、「日常的に重症外傷診療を実施してきた救命救急センターに横浜市外傷センター機能を併設し、既存の診療体制等を有効活用することが最も現実的である。」としています。行政主導での設置は全国初と胸を張るほどのことでしょうか。目論見どおりに、優秀な外科医が確保できるかお手並み拝見です。【了】

■参考情報 横浜市記者発表資料

http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201303/images/phpfd8E92.pdf

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2013年4月 5日 (金)

【My Photo】お花畑

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(撮影:宮本 聰 2013年4月5日 赤レンガ倉庫にて Canon EOS 60D f/9 1/200sec. ISO-100)

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